赤星好投もマクブルームの満塁弾でKO…大城のリード・配球の意図は?

リーグ首位のDeNAに連勝し良い流れでスタートしたカープとの3連戦でしたが、結果は1勝2敗の負け越しに終わりました。

簡単に試合を振り返ると…

初戦はクローザーの大勢が1点差を守れず最終回に同点に追いつかれ、延長10回にロペスが菊池に満塁ホームランを打たれてゲームセット。

2戦目は初戦と同じく大勢がセーブに失敗するも、延長12回に秋広のタイムリーで追いつき、最後はブリンソンがサヨナラタイムリーで勝利。

この2戦は、先発の横川もグリフィンもよく頑張ってくれました。大瀬良・森下のエース級二人に対しても全然負けてなかった。

2戦連続セーブに失敗した大勢はWBCの疲れもあるのか、特にここ数試合は球が走ってないし気持ちもあまり乗っていないように見えます。

毎試合気持ちをつくるのは難しいかもしれないけど、登場曲「炎の呼吸 壱ノ型 不知火、炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天」に相応しい”心を燃やす”ピッチングがまた見たいですね。



母の日に行われた3戦目は2-7でジャイアンツ大敗

そして1勝1敗で迎えた3戦目。

今日5月14日は「母の日」なので、球場全体がピンク色の母の日仕様になっていましたね。

母の日ジャイアンツ対カープ

試合結果は2-7でジャイアンツの負け。

打撃陣はカープ先発のアンダーソンから1点も取れず、投手陣はマクブルームの満塁ホームランなどで7点を献上。

打てず守れずの大敗でした…。

先発赤星は好投するもマクブルームに満塁ホームランを被弾

ただ、先発の赤星のピッチングは悪くなかった。

リーグ最高の投手の一人である髙橋宏斗相手に一歩も引かない素晴らしい投球を見せた前回同様、質の高いボールを投げていたと思います。

2戦連続で5回もたずにKOされて二軍落ちした時と比べると、左足を着いてから投げるまでにしっかり間ができて玉持ちが良くなったのとフォーシームの質が明らかに良くなっているのが大きな違いでしょうか。ロペスやビーディあたりも見習ってほしい。

 

投球内容が良かっただけに勝ちにつなげてほしかったです…。

初回に尚輝の送球エラーで1点を失い、以降は粘って無失点で抑えるも打線の援護なく、最後はマクブルームに満塁ホームランを打たれノックアウト。

赤星に語りかける原監督

逃げずに攻めた結果の被弾はまだマシ。原監督も納得の一球だったはず。

降板後にベンチで落胆している姿はとても見ていられなかったです…。昨日の廣岡も可哀想だったなぁ。

タオルをかぶり落胆する赤星

満塁ホームラン被弾時の配球

で、問題の満塁ホームラン被弾の場面ですが…

初球は真ん中低めのフォーシームをファウル、2球目はアウトコース低めにフォーシームが決まり、2球で追い込む最高の展開でした。

ここから大城が選択したのは外に大きく外れるフォーシーム。俗にいう”一球外し”というやつ。

赤星大城バッテリー一球外し

この1球に対して解説の黒田さんは「これだとちょっと難しくなる。有利な時に早めに勝負するべき」、村田さんも「これは無駄球と僕は思っちゃう。今の球をインコースに投げた方が次の球を投げやすくなる」と苦言を呈していました。

 

そして直後の4球目。

マクブルーム赤星から満塁ホームラン

甘く入ったチェンジアップを完璧にとらえられての満塁ホームラン…。

一球速報サービスを提供している「SPAIA」ではこの4球目をカットボールと表示してましたが、握りをチェックしてみるとやっぱりチェンジアップっぽいですね。もしくは唐川風の特殊なカット。

赤星チェンジアップ

打たれたボールの握り。いつもよりもやや挟みが小さいけどチェンジアップの握りに似ている。

赤星カットボールのリリース瞬間

赤星のカットボールの握りはこれ



大城のリード・配球の意図を予想

この打席のバッテリーの配球にはネット上でも批判多数でツイッターのトレンドにも入っていました。

批判意見としては「一球外しはいらない」「なぜインコースを攻めない」「大城のリードがダメ」「リードが弱気」などなど。

大城のリードや配球に関しては毎年のようにいろいろと言われていますが、まぁこれは捕手の宿命みたいなものなので(笑)

巨人・大城のリードとフレーミング評価|正捕手としての課題と展望
読売ジャイアンツの「打てる捕手」大城卓三の守備面に注目します。リードとフレーミングについて、客観的なデータと専門家の意見を交えて紹介。特にフレーミングについては批判の声もある中、データ上の評価は非常に高いです。

個人的には大城の意図は分かるけど、布石を打ってほしかったという感じ。

大城のリードというか配球は、相手が得意なコースや球種を避け苦手なコースや球種を突くデータに基づいた攻めが基本。どちらかというと保守的なタイプ。

今回のケースだと、マクブルームは右投手の内角のボールが得意でストレートやツーシーム、シュートなどの速い球種に強い、苦手な球種はチェンジアップやスプリット、フォークといった落ちるボールなどのデータが頭に入っていたのではないかと思います。

一球外しに関してはNPBの審判がカウント0-2の状況からストライク判定しにくいという悪しき風習を考慮してのことかもしれません。

例えばカウント0-2の場面ではストライクゾーンの投球がストライクコールされる確率(黄色)はわずか24.7%。審判がストライクをコールしづらいカウントであるようです。

カウントによってストライクゾーンの大きさは変化するのか|One Point Zero Two 

カウント的に際どいボールはストライクを取ってくれないから1球外したいけどインコースの速い球は少しでも甘く入ると得意ゾーンなので危険、2回のデビッドソンの打席のようにインコースを攻めすぎて死球を与えてしまったら押し出し→安全第一で大きく外に外す。

最後は苦手な落ちる球で勝負したいけど、フォークはマクブルームに初回2球投げて見逃されている、今日はチェンジアップで空振り三振もいくつか取れていて調子が良い→チェンジアップを選択。

個人的には大城はこんな風なことを考えながら配球を組み立てていたんじゃないかと予想しています。

実際この配球でも赤星が最後のチェンジアップをストライクからボールになるコースにしっかり投げられていたら打ち取れていたと思います。そこは投げ切れなかった赤星の責任も大きい。

ただ、投手の失投に保険をかける意味で3球目の1球外しを外に大きくではなくベース板上高めでも良かったんじゃないかと思ってしまいます。

そうすれば、外角低め一辺倒よりも打者の目線を多少なりとも変えることができるので、たとえ落ち球が甘くなっても打ち損じてくれる可能性が上がったかもしれません。

3球目にインコースを攻めるのは怖いけど、完全な無駄球にしたくないなら2球目の低めのフォーシームを利用してフォークをアウトローに投げるのも面白かったのでは?

赤星のフォークは途中まではボールの軌道がフォーシームとよく似ているので上手く偽装できれば手を出してくれた可能性も十分あったはず。(初回に見逃された時はカウントが0-0、1-0)

 

こんな風に大城のリード・配球はデータに基づいたものが多く根拠もあるけど、布石を打ったり相手をだますといった繊細さや狡猾さをあまり感じません。

まぁ、これは大城だけじゃなくジャイアンツ捕手陣に共通してる気も…。バッテリーコーチの責任?

投手の調子が良い時だけじゃなく悪い時や多少失投してもそれなりに打者を打ち取れるようなリードを目指してほしいものです。



マクブルームとデビッドソンに打たれまくるジャイアンツ

それにしても、なんでマクブルームやデビッドソンはジャイアンツ戦だけこんなに打てるのか。

二人ともジャイアンツ戦以外では下位打線で使うならまぁしょうがないかというような平凡な成績なのに…。

マクブルーム対巨人・打率.290(OPS1.038)、対ヤクルト・打率.222(OPS.460)、対DeNA・打率.143(OPS.503)、対中日・打率.250(OPS.644)、対阪神・打率.238(OPS.606)

・デビッドソン対巨人・打率.273(OPS.900)、対ヤクルト・打率.111(OPS.516)、対DeNA・打率.211(OPS.654)、対中日・打率.179(OPS.464)、対阪神・打率.222(OPS.750)

ジャイアンツ戦だけはなぜかメジャーリーガー来日って感じ。なんでや!

ここをどうにかできればもう少しマシに戦えたと思うんだけど…。

バッテリーとコーチ陣は猛省しないといけませんね。

次回カープと対戦する時はこの二人の外国人を完全に抑えられるようしっかり対策してもらいたいです。

コメント

  1. 玉幸 より:

    minamiさん、こんちは(^^)/
    この3連戦で門脇の認知度がぐっと上がりましたね。本職はショートみたいですけど、そのせいか横の反応も早い早い(;゚O゚)
    2戦目はカープの松本が大炎上で巨人サヨナラ勝ちのインパクトが強すぎましたが、あの試合も門脇の好守備が無ければ延長戦に突入するまでもなくカープが勝っていた可能性もあっただけに、まさに勝利の立役者だったと思います。
    3戦目の8回、岡本のセンターに抜けるかという打球を菊池が好捕してゲッツー。この反撃ムードを断ち切ったプレーについて新井監督が『打点3~4の価値がある』とコメントしていましたが、2戦目の門脇の守備もまさに5打点くらいの価値があったと感じました。
    カープにも矢野という守備は素晴らしいけどバッティングがまだまだという似たような選手がいます。ただカープの場合、期待していた小園が2軍落ちした後も精彩を欠いていてショートが確定していない状態。だから上本、田中、矢野、韮沢あたりが日替わりでポジション争いをしている状態で今後も出場機会はありそう。
    で、ジャイアンツの門脇ですが、負傷離脱中の中田が思ったより早く復帰しそうで実績から考えるとはじき出されてしまいそうですね。坂本が復調しているだけにショートに入れるのも難しいですし、坂本の継者問題にも着手し辛いでしょうか。
    岡本のサード守備も素晴らしいのですが、サード門脇、ファースト中田、DH岡本となったら坂本、吉川と鉄壁の内野守備が完成しそうですね。

    • minami minami より:

      玉幸さん、コメントありがとうございます。
      門脇は反応が早いしショートスプリント力がすごいんですよ。
      岡本のサード守備が心もとなかったので頼もしいです。
      翔さんが戻ってきたら岡本レフトでサードはそのまま門脇に守ってほしいなあなんて思っています。あとは打ってくれたら最高なんですが。
      三戦目の菊池の守備もすごかったですね!
      あの打球を捕るだけじゃなくゲッツーにするのがさすが。
      矢野はパンチパーマのイメージしかなかったけど指標は飛びぬけていいですね。
      今後注目して見たい選手です!

  2. 九州の六等星 より:

    こんばんは、minamiさん。数字を出して頂くと弱点がわかりやすいですね。毎回、感覚が証明された気分とても爽快ですし、頭が下がりますm(_ _)m。
    でも、原監督の意図する内容ではない可能性もありますが「(記者の方で)菅野投手を取材してくれ」とか「ブリンソン選手に誰か野球を教えてくれ」等、個人的にそんなことも出来ない組織なのかと、がっかり発言を止められないコーチ陣、自分の立場の苦しさの感情を選手だけでなく、ファンにまで押しつける監督では(少なくとも得意のエンタメではありません)中田選手の激走も門脇選手の好守備も先発投手の頑張りも、良いところが尽く彗星のように消え、やがて試合の粗さや雑さが重なって選手の皆様の結果がでなかった悲しみの悟りの顔をみせられる忘れたいシーズンになりそうで心苦しいです。ブリンソン選手に野球を教えることや甥っ子と話すことがそんなにも困難なことでしょうか(TT)まっ、ホークスもジャイアンツ同様、中継ぎが足りないので両チームがどう建て直すか期待してます。頑張れジャイアンツ&ホークス。

    • minami minami より:

      九州の六等星さん、コメントありがとうございます。
      原流の皮肉を込めた冗談ってやつですね~(^^;)
      まあチームが上手く回っていない時はいろいろと言いたくなってしまいますね。
      それにしても中継ぎには困りましたね。
      いくら先発が頑張っても何点リードがあっても回が進むごとに不安になってきちゃいます。
      安心して後半を見ていられるシーズンになって欲しい…。

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