【菅野智之のピッチングバイブル】エースの心技体が凝縮された一冊

私は野球関連のコラムを読むのが好きで、特に選手が書いたものには積極的に目を通しています。

その中でも気に入っているのが、現在「週刊ベースボールONLINE」(有料)で第2シーズンが連載されている菅野智之コラム『The GOAL』。

テレビのインタビューを見ていても分かるように菅野は自分自身の考え方をしっかり持っている人で、それを外に向かって発信するのもとても上手。

そんな菅野のコラムは他の選手のものと比べても丁寧で分かりやすく、ためになる面白さがあると思います。

今回の『The GOAL』では「オフのフィジカル面」や「投手の心構え」「チームの変化」「個人の目標」などが書かれていました。

その文末で紹介されていたのが、開幕と同日3/29に発売された菅野完全監修の本「菅野智之のピッチングバイブル」です。

菅野智之のピッチングバイブル

もちろん迷わず購入!

本書は週刊ベースボールで連載を担当していたPLAYERS_COLUMN『The GOAL』の内容を一部修正し、また、新たに僕の持ち球の解説や、トレーニングに対する考えを加え、MOOKとしたものです。

「菅野智之のピッチングバイブル」より引用

本の内容は引用文のとおり、週刊ベースボールで連載している菅野コラム『The GOAL』(2018年5月7日号~2019年1月7・14日号に掲載)のまとめや、ピッチングフォームのポイント、7種類の持ち球解説などについて。

 

フォームや持ち球解説という言葉だけ見れば、プレーヤー向けで私のような素人が見る本ではなさそうな感じですが…

読んでみるとこれが全く違いました。

まず最初は『The GOAL』の内容。

コラムのおおまかな構成は以下の通りです。



菅野智之が求める究極の姿

  1. 2018年の自分①
    沢村賞についてや2018年のベストピッチとその試合の感想。
  2. 2018年の自分②
    コンディション不良に悩まされたシーズン序盤とそこからの復調について。
  3. 個人タイトルへの想い
    防御率に関してのこだわりと優秀な数字を残すための方法。
  4. 2018年のジャイアンツ
    広島の強さと満場一致で東京ドームMVPに選ばれたことへの危機感。
  5. 日本代表と東京五輪
    日本代表で活動する選手への保護・保障に対する考え方や東京オリンピックへの想い。
  6. 2019年に向けて
    背番号「18」を背負った詳しい経緯と想いや2019年の目標について。

テレビインタビューですでに語っているものもいくつかあり、菅野フリークからすれば見知った内容かもしれませんが、新鮮な部分もたくさんあって読みごたえは十分!

文章の読みやすさも相まってとても面白かったです。

磨き抜かれたテクニック

次は菅野のピッチングフォームのポイント解説。

連続写真を見ながら、菅野自身が細かいポイントを解説していく内容になっています。

私には投球の細かいポイントなどは当然分かりませんが、さすがだなと思ったことがひとつ。

それは「良い球を投げる」のと同じくらい「身体への負担の軽減」を重視しているということ。

左足の独特のキックバックや投球後の左手の上げ方なんかにも当然ながら全て理屈があるわけです。

目からうろこでした。

菅野のフォームは大学で研究していた運動力学をベースにした理論と実戦で得た経験・知識をMIXし作り上げているんですね。

七色の魔球

菅野のこだわりはフォームだけでなく持ち球にも大いに反映されています。

持ち球解説のコーナーではフォーシームからフォークボールまで「全てが決め球」と言われる菅野の球について詳しく書かれています。

全てを紹介することはできないので、私が驚いた変化球をひとつだけ。

それは最近もよく使っている「カットボール」です。

この球は大学時代に覚えた菅野の生命線とも言える変化球で、試合を見ても分かるように菅野は「縦変化」と「横変化」の2種類のカットボールを操っています。

前々からどんな風に握りや投げ方を変えているのか興味があったのですが、実は両方とも意識は全く同じとのこと!

縦と横の違いは「ボールの回転軸を横に向けるか、縦に向けるかで生まれる」ため、低めを狙えば自然と縦回転になってボールが落ちるんだそうです。

菅野のカットボールはバッターのベルト付近を狙えば横変化、低めを狙えば縦変化するフレキシブルな変化球なんですね。

そのほか、ストレートや変化球もリリース時の感覚などを交えながら分かりやすく説明してくれています。



準備の良し悪しで結果が決まる

技術的な解説の後はルーティンやトレーニングへの向き合い方など心技体の「体」について。

この項目では先発投手のスケジュールやオフの過ごし方、ルーティンについての考え方やハワイでの自主トレ内容なども写真漫画風に紹介されていました。

 

ハワイ自主トレは何度かテレビでも見たことがありますが、菅野は「自分の体を扱えなかったら、マウンドで体は制御できない」という独自の理論で自体重を利用したトレーニングをメインにしているようです。

筋トレなどの体づくりに関してもアメリカで十分な知識を学んだという自負があるみたいですね。この人はどれだけ勉強家なんだろう…

根拠のない一球は投げない

「体」の次は「心」。

菅野がマウンドで大切にしていることや集中力の高め方についてです。

そのなかでバッテリーの信頼関係についても触れられていますが、なんだか小林は菅野のルーティンの一部のような感じですね。

イニング間で毎回のように小林と確認を取り合っている理由も分かりました。

二人の相性の良さにも納得。

そしてこれだけ野球のことだけを考えて生活できる菅野はやっぱりすごい!

原点

最後は菅野のこれまでの野球人生についての振り返りです。

「最も古い野球の記憶」から「2017WBC」までが結構詳細に描かれていて、菅野智之という人がいかに野球と共にあったのか、そしてどれだけ野球に真剣に取り組んできたのかがよく分かる内容でした。お父さんが初めて褒めてくれた話は何度聞いてもウルっとくる…

松陰公園

菅野の原点のひとつ「松陰公園」。

この公園の門柱にストライクゾーンを描いて毎日カベ当てを行っていたそうです。

 

そのほか、「菅野の「スゴさ」を11球団22選手に緊急アンケート!!」というコーナーがあったり(結構大物もいますよ)、菅野愛用の野球ギアの説明、楽天則本や今季ジャイアンツに新加入した丸との対談など、興味深い内容が盛りだくさん。

野球本って結構ハズレも多いんですけど(経験上半分くらい)この本は菅野がしっかり監修しているだけあって個人的にはかなり面白かったです。

菅野ファンはもちろんのこと、一流の投手を目指す学生さんなんかにもおすすめできる一冊だと思います。

コメント

  1. ネム より:

    菅野の初めての本とても面白かったです
    真面目で説明好きの菅野らしい内容でした
    またいい本があったら紹介してください

    • minami minami より:

      ネムさん、コメントありがとうございます。
      ピッチングバイブル、ページ数のわりに内容が結構詰まってて面白いですよねー!
      なかなか読む時間がなくて積読状態になってる野球関連の本がいくつかあるので、
      また面白いものがあれば少しずつ記事にしていこうかなと思います。