前カードは阪神相手に2敗1分という残念な結果に終わったジャイアンツ。
悪いムードを払拭するためにも絶対取っておきたかったDeNA3連戦の初戦でしたが…
なんと2-8の大敗を喫してしまいました。
しかも先発は前回8回1失点という好投を見せたエース菅野。
DeNA打線おそるべし…。
立ち上がりは良かった。
初回、DeNA先発の宮國から尚輝と岡本さんのタイムリーで早々に2点を奪取!
オフにジャイアンツから戦力外通告を受け、今年3月にDeNAと育成契約を結んだ宮國。
そこから地道に結果を残して先月念願の支配下登録を勝ち取りました。おめでとう。
長年ジャイアンツに籍を置いた選手なので頑張ってほしい気持ちは山々ですが、今は優勝がかかった大事な時期ですからね。おいそれとは負けてあげられません!
一方菅野は桑原から始まるDeNA上位打線を3人で仕留めまずまずのスタート。
気になったのはやっぱり佐野。何を投げても食らいついてきますからね…。この選手は今日も要注意だと思いました。
今日の菅野はストレート系の球威自体はそれほど悪くなさそうでした。
でも、左打者のインコース、右打者のアウトコースへのストレートが結構な割合でシュート回転(右打者には引っかかる場合も)していたので小林もなかなかそこを効果的に使えず。
以前の菅野はこのボールが生命線で、三塁側のプレートを踏んできれいな回転のボールをバシバシ投げ込んでいたんですが…。
まだまだ本調子でないことは間違いありませんね。
2回はランナーを出しながらも下位打線をなんとか抑え無失点。
しかし3回、柴田と佐野に連打を食らい苦手の宮﨑にタイムリーを打たれ1点を失います。
個人的にこの3回は5回の炎上劇につながるひとつのポイントだったと思います。
注目すべきはフォークを投げた数です。
この回だけでなんと9球。
一球速報さんのデータを見ると球種割合はストレートが4球、カットが3球、シュート(ツーシーム)が4球、スライダーが6球、カーブが3球となっていて、一番投げた球種がフォークでした。
その理由は多分フォークを投げないとDeNAの主力バッターたちを抑えられなかったからだと思います。
特に佐野にはインコースのストレートの制球がイマイチだったので対角の攻めがほとんど使えず、頼むからフォークを振ってくれ的な感じに見えました。最終的には9球を要して中安。
主力に投じたフォークは佐野に4球、オースティンに2球、牧に2球。
フォークのキレ自体は良かったですからね。空振りもしっかり奪えていたし。
でも、このとき効果を発揮した『困ったときのフォーク頼み』は後々の展開を思えば良かったのか悪かったのか…。
そして、悪夢の5回。
先頭の柴田は松原のファインプレーでなんとか打ち取りますが、そこからDeNA打線が大爆発。
佐野中安→オースティン四球→宮崎左線2、牧死球→ソト左線2→山本スクイズで一挙4失点…。
一番痛かったのはオースティンへの四球かな。
フルカウントからの6球目、シュート回転しながら落ちていくインコースのフォーク。
良いところに投げ込めていたしストライク判定されてもおかしくはなかったけど残念ながらボール。わずかに小林のミットが流れたのも印象が悪かったのか?
悔しがる菅野の顔を見ればこの一球がいかに大事なボールだったのかがよく分かります。
ここでオースティンを打ち取っていれば2アウト一塁なので最悪でも1、2失点で済んでいた気がしますね。
気持ちを入れ直して宮崎との対戦に挑んだ菅野でしたが、2球目のインコースのストレートを狙い打たれ同点タイムリーツーベース。
3回も5回も宮崎のまるでそこにボールが来るのが分かっているような迷いないスイングには本当に驚かされます。
読みが鋭いのか何か傾向を掴んでいるのかは分かりませんが、ちょっと打たれすぎでは?
いつも言ってる気がするけどなんとか対策を講じてもらいたいですね…。
続く牧にはフォークが抜けて死球、そしてソトにはフォークが落ちずタイムリーツーベース。
少し前に堀内さんが戸郷のフォーク多投についてブログで苦言を呈していたのですが、今日の菅野に関しても言えることなのかなと思いました。
フォークってねピッチャーにとって魅力的なボールなんだよね。バッターが目の前でクルックル回ってくれて三振が取れる。
でもね、早いうちからフォークに頼るとピッチャーとしての成長が止まってしまうよ。
戸郷に対してはそれを心配している。
フォークは魅力的であり効果的なボールでもあるけれどそれと同時に危険なボールでもある。
ましてや、ストライクゾーンを狙うフォークなんざスピードが遅くなるし打ちごろのボールとなる。指を広くしてボールを握るため回を重ねていけば握力もなくなっていく。
成長が止まるという点は百戦錬磨の菅野には関係のない話ですが、回を重ねていけば握力もなくなっていくというところはなるほどという感じです。
それに菅野は山口のようなフォークピッチャーではなく、例年フォーク割合は10%程度。
それがこの試合は全108球のうち22球と2割を超える数を投じました。
決め球としてだけではなくカウントを稼ぐためにも多投した結果握力が落ちコントロールできなくなった可能性もあるのかなと思います。
そのあたりは菅野や小林ももちろん分かっていたと思うけど、分かっていてもフォークを多投しなければ抑えられないDeNA打線おそるべしですね。
あと、二度の出塁で走り回ったのも良くなかったかも。
中5日、二度の出塁、フォークの多投、この3点が5回の炎上劇の大きな要因なんじゃないかと私は思います。
今の手投げ風フォームはフォークが有効なのは間違いないし今後も頼りにしていくボールなんだろうけど、使いどころや配球はもう少し考えていく必要がありそう。
フォークを有効に使うためにもストレートの精度をもう少しあげたいところです。
三塁側のプレートに戻すか、イマイチ効果を発揮していないツーシームを活かすためにまた一塁側を踏むかしたほうがいい気がするんですがどうだろう。真ん中は一番中途半端な気がする。
これだけ四死球を出してしまうというのは彼の中では、正常ではないでしょうね。足の状態は問題ないと思います。
それにしても、中5日とか中4日とか、やっぱりあまり意味を感じないんですよね。
リリーフの層が厚くて先発が5、6回までなんとか投げればそこから先の回を消せるくらい安定感があればもちろん効果的なんだろうけど、今そんな状態じゃないし。
空回りしている感が否めません。
その後、菅野に代わってマウンドに上がった大江が楠本にとどめのスリーランを浴びてこの試合ゲームセット。
宮國を打ち崩せなかった打撃陣、DeNA打線にやりたい放題を許したバッテリー…今日は良いとこなしでした。
明日は絶対に勝たなければ。汚名返上といきましょう!
コメント
緊急的に中4日中5日で投手を回した時って、大抵失敗してるようなイメージあるんですけど気のせいでしょうか?ローテーション崩す弊害のほうが大きい気がするんですけどね。例えば普段中継ぎ投手を試しに使ったり若手を使ったり、瓢箪から駒的なこと狙ったほうが今後の選択肢とか増える可能性もあるし、選手もチャンス増えると思うと練習にも身が入る効果があったりすると思うんですけどね。
それにしても宮国は巨人時代には見られなかった強気のピッチングでしたね。ストレートはこんなに速かったでしたっけ?これだけのストレートがインコースに来れば当然詰まるし、緩急も効果的になる。全く打てそうにないというわけではないけど、ポイントになる所でいい球が来てました。今回だけは素直におめでとうですね。
恥ずかしながら巨人ファンさん、コメントありがとうございます。
宮国は一軍に上がる直前の二軍戦で151キロとか出てましたね。
私もびっくりしましたが、ジャイアンツにいたころは肩?を故障してたみたいです。
DeNAが声をかけてくれるまでの間にある程度肩を治せたのかもしれませんね。
ジャイアンツの中4日中5日はあんまり上手くいった覚えがないです…。
それで先発ローテが全員リズム崩してしまうくらいなら1つ2つ負ける覚悟で若手使うなりブルペンデーにするなりしてほしいですね(>_<)