先日FAでの入団が決まった梶谷隆幸選手に続いて、同じDeNAベイスターズの井納翔一投手の入団が決定したようです。
契約は2年2億円規模で背番号は「21」を用意しているとのこと。
オフの補強第2弾ですね。
国内フリーエージェント(FA)権を行使したDeNA・井納翔一投手(34)の巨人入りが決定したことが10日、分かった。梶谷隆幸外野手(32)の加入が決まった9日に続く朗報で「DeNAの投打の主力ダブル獲り」に成功した。
報知も「DeNAの投打の主力ダブル獲りに成功」とか他球団のファンを煽るような書き方をしなければいいのに…。
別に嫌がる選手を無理やり引っ張ってくるわけじゃないですからね!
本来は長年所属していたチームが有利なのは明らかで、これまでの待遇や今後の扱い次第で中日・大野やヤクルト・山田のように残留の可能性も十分あったはず。
しかし、DeNA側は最初からマネーゲームはしないという方針を示していたので選手側に交渉の余地はあまりなかったのかもしれませんね。
これまではDeNAも毎年順調に収益を伸ばし内部留保も48億円近く持っていたので出そうとすれば出せたはずですが、今季は新型コロナの影響でどの球団も大ダメージを受けてしまったこともあり、ソト(3年7.5億)や来年の宮﨑を優先したということなのでしょう。
→横浜DeNAベイスターズ 売上高と業績推移のグラフで財務諸表の内訳を比較分析 2019
チームの方針はいろいろなのでどこのやり方が正解とかはないですが、ファンから集めたお金を勝利のために使うのは個人的には間違いではないと思います。
アンチ巨人にいろいろ言われないためにも、できればジャイアンツには日本初上陸の外国人獲得に大枚をはたいてほしかったんですけどね。
新型コロナの影響でマイナーリーグの選手の状態は不透明だし、KBOもメジャーへの足掛かりとして高い実績がある阪神を選ぶ選手が多いのでなかなか難しそうですね…。
それでは井納さんの話に移ります。
井納さんのDeNA時代の主な成績は以下の通り。
年度 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | S | H | 奪三振 | 奪三振率 | 被打率 | K/BB | WHIP |
2013 | 18 | 89.1 | 5.34 | 5 | 7 | 0 | 2 | 66 | 6.65 | .290 | 1.89 | 1.52 |
2014 | 25 | 159.1 | 4.01 | 11 | 9 | 0 | 0 | 104 | 5.87 | .267 | 2.12 | 1.33 |
2015 | 21 | 134.2 | 3.27 | 5 | 8 | 0 | 0 | 92 | 6.15 | .309 | 2.30 | 1.51 |
2016 | 23 | 151.2 | 3.50 | 7 | 11 | 0 | 0 | 113 | 6.71 | .268 | 2.40 | 1.34 |
2017 | 25 | 152.1 | 3.84 | 6 | 10 | 0 | 0 | 93 | 5.49 | .257 | 2.02 | 1.27 |
2018 | 24 | 61.0 | 3.54 | 6 | 3 | 1 | 8 | 44 | 6.49 | .256 | 2.75 | 1.25 |
2019 | 15 | 70.0 | 4.76 | 4 | 5 | 0 | 0 | 50 | 6.43 | .271 | 1.79 | 1.46 |
2020 | 17 | 89.0 | 3.94 | 6 | 7 | 0 | 0 | 69 | 6.98 | .282 | 2.65 | 1.39 |
TOTAL | 168 | 907.1 | 3.94 | 50 | 60 | 1 | 10 | 631 | 1.89 | .275 | 2.20 | 1.38 |
NTT東日本から27歳シーズンでプロ入りしたので1年目からそこそこのイニングを投げ、通算8年で50勝を挙げた右腕投手です。
2014~2017年は年間150イニング程度投げていますが、近年は100イニングに届かず。
これは18年オフに手術した右肘の状態や年齢、ラミレス前監督の「好投していても急に乱れることがある。2度続けていい投球が少ない」という評価、井納さん以上に優秀な先発陣を持つDeNAのチーム事情によるものだと思います。今はケガ人だらけだけど。
数字だけ見れば何とも言えない微妙な感じで、本当に「そこそこ」という表現がピッタリな選手だと思いますが、実際投げているボールはまあまあ良いんですよね。
特に巨人戦は結構抑えているイメージがあり、当ブログでも何度か井納さんの投球について触れています。
気になって2013年からの対戦成績を調べてみるとこんな感じでした。(データで楽しむプロ野球さんから)
- 2013年…3試合、20イニング、1勝2敗、防御率4.95
- 2014年…3試合、19イニング、1勝1敗、防御率3.79
- 2015年…3試合、12イニング、0勝1敗、防御率4.50
- 2016年…4試合、27 1/3イニング、2勝1敗、防御率2.96
- 2017年…8試合、50イニング、2勝4敗、防御率3.78
- 2018年…9試合、27 1/3イニング、3勝1敗、防御率3.62
- 2019年…4試合、17 2/3イニング、2勝1敗、防御率4.08
- 2020年…5試合、26イニング、1勝3敗、防御率3.12
対ジャイアンツは12勝14敗。
もっと抑えられていたイメージがあったけど結構打ててたみたい(笑)
それでも他球団に比べるとジャイアンツとの対戦成績は良く、得意としていたのは間違いなさそうです。
来季以降の井納さんには、やはりローテーション投手として勝ち星を挙げるとともにイニングイーターとしての仕事をしてもらいたいところ。
例年5、6勝で負け先行という成績の井納さんですが、来季も能力が衰えていなければDeNA時代よりも多少は成績が良化しそうな気配を感じます。
その理由はチームの守備力。
近年のジャイアンツとDeNAのチームUZRを見ると…
- 2018年…【ジャイアンツ】6.1(全体5位)、【DeNA】-39.9(全体11位)
- 2019年…【ジャイアンツ】0.6(全体5位)、【DeNA】-15.3(全体10位)
- 2020年…【ジャイアンツ】55.3(全体2位)、【DeNA】-37.8(全体10位)
チームの守備力に結構な差があります。
井納さんはグラウンドボールピッチャーなので高い守備力を誇るジャイアンツ内野陣の恩恵を十分に受けられるでしょう。
本拠地もパークファクターの似通ったハマスタからドームなので被本塁打もあまり変わらないのではないでしょうか。
今年は89イニングで10本のホームランを打たれていますが、基本的には被本塁打の少ない投手なのでドームでもそこそこ抑えてくれそうな気がします。
ここ数年、ハマスタで抑えてドームで炎上しているイメージがあるのは少し気になりますけどね…。
たまたまだと信じることにします…。(2020年は2試合で0勝2敗防御率9.00、2019年は2試合で0勝1敗防御率5.87、2018年は3試合で1勝0敗防御率6.75)
二桁勝利で貯金5以上!というのは望み過ぎだと思うので、9勝8敗くらいでリリーフ陣が休めるようできるだけ長いイニングを投げてくれることを期待したいですね。でも目指すは二桁勝利!
「宇宙人」という愛称をつけられるほどユニークな性格をしているみたいなので、奇想天外な発言や行動も楽しみにしています!
→【巨人】“宇宙人”井納翔一がやってくる DeNA元監督・中畑清氏「会話成り立たない」|スポーツ報知
正直、ヤクルト球団と悩みました。原監督から直接、来季の戦力になってほしいという言葉をいただいたことが決断の理由です。伝統あるチームの一員としてやっていけるうれしさと、結果を出せるのかという不安もありますが、チームに溶け込んで自分の力が出せるように頑張ります
中心選手として、井納君は先発ローテの一角として中5日、中6日、ときには中4日で。150イニング200イニング目指すことも。若い選手の教育でいい影響をあたえてもらいたい
コメント
かつて黒田がMLBで大きく評価されていたのは貯金が作れなくてもイニングを稼げるということでしたよね。
昔の私は10勝10敗の投手に対して過小評価していた所があり、MLBの黒田投手に対する評価をきっかけにイニングイーターという投手を随分と見直すこととなりました。
ジャイアンツも井納に期待しているのは貯金ではなく8勝8敗くらいの成績のようにも思えますが、勝敗に関係なく1年間ローテを守ることって難しいですよね。
玉幸さん、コメントありがとうございます。
黒田さんは援護がかなり少なくて不運だった部分はあるけど確かにしっかりイニングを投げてくれる投手は助かりますよね。
10敗するけど10勝してくれる投手というとかつての野上がそんなイメージなんですが…イニングを投げられるかというとそうでもないのかなぁ(´・ω・)
うちは菅野がいなくなったら一年間ローテ守れそうな投手がホントに少ないので井納さんには頑張ってもらいたいです!