3月20日に行われたオープン戦ロッテ戦はジャイアンツが6-0で快勝!
投手陣は、先発のメンデスが4回を1安打無失点、2番手の菅野も同じく4回を無安打無失点と好投。
最後は中川が無安打2奪三振の完璧なピッチングを見せ、見事完封リレーを達成しました。
打撃陣は、2回に坂本が先制のソロホームランを放ち、6回には代打の佐々木が適時打で2点を追加。続く郡の適時二塁打で3点を加えるなど、計6点を奪いました。
投打がうまく噛み合った良い試合だったと思います。
スガコバ復活!阿吽の呼吸で無失点
投打で多くの選手が活躍しましたが、ピックアップするのはやっぱり菅野・小林のスガコババッテリー!
「キャッチャー、岸田に代わりまして小林」
「ピッチャー、メンデスに代わりまして菅野」
バッテリーの名前がコールされた時は大歓声が上がってすごい盛り上がりでしたね。
さすがは、エンターテイナーの阿部監督。
小林は一軍に上がってから結果を出し続けているので実力を評価しての起用も当然あると思いますが、ファンが喜ぶことをよく分かっています!
菅野の状態と小林の励まし
今年の菅野は初シート打撃を見た時はちょっと調整が遅めかなと思っていましたが、少しずつ状態を上げ13日のホークス戦ではMAX153キロを記録するなどかなり仕上がっている様子でした。
ただ、ホークス戦の結果は4回を投げて5安打2失点とイマイチ。今年のホークス打線はチート級なので仕方ない部分もありますが、本人としてはボールはそれなりに良いのになぜこんなに打たれるんだろうと少し気弱になったと思います。
そんな菅野の姿を見て、小林は投げているボール自体は良いのでカットボールや変化球の使い方次第ではホークスの強力打線相手でも抑えられると励ましたそうです。
ブルペン、試合の映像をチェックした小林から「ここいいね」とよく気遣ってもらい、励まされた。4回5安打2失点だった前回登板の13日ソフトバンク戦後もカットボール、変化球の使い方の助言を受け、「簡単に抑えられると思うんだけどな」と背中を押された。1週間後に実現した“スガコバ”バッテリー。「任せるよ」と信じ、結果を出した。
そうなんですよ!
この試合はストレート系の球威に注目されがちだったけど、私もカットボールが凄く良く見えました。
ストレートとカットボールを組み合わせたら簡単にカウントを稼げるから、あとはどう料理するかという感じだったのに、なんか遠回りしてるなと…。
まぁ、オープン戦なので結果は二の次でいろいろ試していたのかなと思っていましたが、結構本気で抑えにいってたんですね。
菅野の投球内容と小林のリード
そして、この試合はそのあたりの反省を活かし、小林のリードに”身をゆだねて”4回47球を投げ無安打2奪三振無失点。
去年もずっと見ていて、いろいろ思うこともあったと思うし、身をゆだねて投げた。さすがのリードをしてくれた。
全体的には少し粗い部分もありましたが、相変わらずキレのあるカットボールを上手く使い、要所をしっかり抑えたベテランらしい投球だったと思います。
何度かど真ん中にボールがいって「危ないっ」と思ったシーンもありましたが、相手が打ち損じて簡単にアウトになってくれるのが印象的でした。
その前にインコース厳しめを攻めてゾーンを広げていたから打ち損じたのかなとか、小林のリード・配球は意図が感じられるから見ていて楽しいですよね。
データ的には捕手のリードや配球によって投手の成績に大きな差はないらしいですが、「目に見えない何か」の存在を感じずにはいられない楽しい時間でした。
阿部監督の配球論
この「目に見えない何か」を良い意味でも悪い意味でも大事にしているのが外ならぬ阿部監督です。
試合の「流れ」という存在やデータ的には意味がないどころかマイナスになるバントや進塁打を重要視するなど、今のところ自分流を貫いている感じ。
リードや配球に関しては、昨年のトークイベントで「(配球は)結果論だから。捕手にしか分からないことってたくさんあって。一番近くで見ているんだから、自分が思った通りやればいい」と言っていましたが、過去の発言などを拾っていくと割とリード厨的なところもあるんですよね。
→【巨人】阿部慎之助監督の配球論「(配球は)結果論。自分が思った通りやればいい」否定したこと一度もない|スポーツ報知
由伸監督時代の阿部監督と小林の会話を紐解くと、阿部監督はデータに基づいて打者の苦手な球種やコースを決めるという配球よりも打者の反応をしっかり観察して狙いを外すような配球を好んでいる気がします。
- 「田口の1年間のチャートみてみ。この辺(かなり厳しいインハイ)お前が構えたことあるか?まず無い。全部コースしかない。インコース高めのボールを全開で投げたらバッターはピクッてなるぞ?反応したんだからそこから何でも効くでしょ?裏もいけるし。だからお前は極端にバーンってインコース高めに構えちゃってもいいんだよ。そういう発想を持たないとな」
- 「一生懸命になりすぎ。遊び心を持て。ミーティングのそのままの配球しすぎ。」
- 「藤井にホームラン打たれたろマシソンが。あれは落ち球だったからキャッチャーはいいでしょってなっちゃうの。あれを何で打たれたの?って思わないとダメだよ。その前の藤井の真っ直ぐ全然反応してなかったと思うんだ。追い込まれてるのに。もう変化球マークなんだろうなと。」
阿部監督は最終的に決定したボールが打たれるのは結果論だから仕方ないけど、打者が出しているシグナルに気付かないのはダメという考え方なのかもしれないですね。
ベテランの域に達した小林のリード・配球
若い時に阿部監督に散々説教を食らっていた小林がベテランになってインハイのボールを積極的に使っているのを見ていると、やっぱり小林は阿部監督の薫陶を受けている弟子みたいなもんなんだなとよく思います。
そういえば、この試合で特に印象に残っているのが、ボールが引っかかって狙ったところよりもかなり内側にいっちゃったシーン。
このボールに対して小林は「うんうん」と強く頷き肯定的な反応を示していました。
直後、インコースのスライダー要求に対してど真ん中にボールがいってしまったんですが、これを打者が打ち損じてイージーなサードゴロに(郡のエラーで出塁を許したけど)。
ここ数年の小林の配球で特徴的なのが、こういう要求通りに投げられなかったボールを次のボールの布石として使うこと。
細かく説明するのが面倒なので端折りますが、小林のこういう「死に球」を作らない味のある配球や、ストライクゾーンを外れたボールでもできるだけミットを流さないで丁寧に捕球する献身性が個人的に好きです。
最後に
この試合の感想として、スガコババッテリー以外に浅野と中川のことを書こうと思っていたのですが、いろいろ書きたいことが多すぎて配球だけでこんなに長文になってしまいました。
なかなか分かってもらえないことの多い菅野の魅力についても同じくらい熱く書こうと思っていたんですが、これはまたの機会にしたいと思います。アンチは菅野の愛嬌が分かっていないんですよ!(笑)
そんなこんなで、開幕が近づく中、スガコババッテリーがここまで機能するのは本当に心強い限りです。今後も二人の活躍に期待したいですね!
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