先日東京に行った際、少し時間があったので東京ドームに隣接する野球殿堂博物館に寄りました。
博物館には往年の名選手のユニフォームや記念ボール、最近ではプレミア12で代表選手たちが使っていた野球用品や優勝のメダルなどが飾ってありました。
そのなかには我らがキャプテン坂本勇人が5月1日に打った「令和第1号ホームラン」の記念バットなども!

野球殿堂博物館で撮った写真
あの試合は亀井さんと山本の二人が「令和初盗塁」、菅野が「令和初完投勝利」などたくさんの「初」がつくめでたい試合でした。

坂本の他にも菅野や山口、岡本、亀井さん、丸らジャイアンツの選手たちの野球用品もいっぱい飾ってありました。
たくさんの野球用品を見ていたら無性に興味が沸いてきたので、ジャイアンツの選手たちがどんな野球用品を使っているのかを調べてみることに。
調査第1号はもちろんキャプテン坂本勇人です。
坂本勇人愛用の野球用品
バット

月刊ジャイアンツ10月号
道具には並々ならぬこだわりを持つ坂本。特に年齢を重ねてからは細かい道具にも妥協しなくなったイメージがあります。
バットは入団2年目(1年目からという話も)の途中に高橋由伸前監督が使っていたSSKのもの(Cタイプ?)を振って気に入って以来、カラーリングや重さは変えても基本的な型はずっと同じ。
ただ、2013年か2014年に由伸前監督がグリップを細くした時、坂本も同じタイミングで細くしたそうです。
由伸前監督曰く「このバットはちょっと短く持つと使いやすい」とのこと。
ちなみに由伸前監督は江藤智さんのバットをグリップ部分だけ自分好みにカスタマイズしたみたいですね。
坂本はこのバットでプレーするようになってからも数多くのバットを試したそうですが、このバット以外のものが良いとは思えなかったそうです。
ブランドは【proedge(プロエッジ)】、長さは34インチで重さは900グラム(夏場は883~890gまで軽くする)、素材はメイプル。
使い続ける理由は慣れているから?バランスがいいから?と明確な理由はなさそうですが「このバットでしか振れない」「引退まで多分もう変えることはない」という強い愛着を感じました。
同じ1988年世代の柳田悠岐が大学時代にスポーツ用品店「XEBIO(ゼビオ)」で買った市販のバットを形状そのままで素材だけイエローバーチに変更し今でも使っていることは有名ですが(ギータ曰く「誰でも使えるバット」)、選手によってバットの選び方はいろいろですね。
SSKで坂本を担当している岩元正さんは、このバットについて「グリップが細く扱いが難しいタイプ」と語っています。
坂本がこのバットを使い始めた頃はよくバットを折ったようで1週間の遠征用に10本渡しても帰って来る頃には半分くらい折っていたそう(もったいない…)。 最近はほとんど折らなくなり1年間でも数本になったらしいです。
汚れを自分できれいに落としたりととにかく道具を大事に扱うらしく、入団してすぐの頃に凡打の後バットを床に叩きつけたときには試合後謝罪に来たというエピソードも紹介してくれています。
坂本のバットはもちろんフルオーダーなので市販されていませんが、カラーリングなどを似せた「坂本勇人モデル」は軟式用と硬式用の両方が販売されています。
グラブ(グローブ)

月刊ジャイアンツ10月増刊号
坂本が使っているグラブ(グローブ)は、皆さんご存じの通りゴールデングラブ賞7回受賞の守備の名手・井端弘和さんから強奪?したミズノ製のもの。
グラブについて悩んでいると坂本に打ち明けられた井端さんが自分のものを試しに使わせてみると、井端グラブをすっかり気に入った坂本は結局返さずに今に至るまで使い続けているようです(笑)
2014年から試合用として使い続けているので見た目はボロボロですが(カラーも昔はオレンジっぽい色だったのに今は茶色っぽい)、紐を替えたり、破れた箇所はミシンで縫ったりと大事に使い今でも名手・坂本を支えています。
今日は読売ジャイアンツの #坂本勇人 選手の試合用グラブについてご紹介です♪
ご存知でしたか!?
坂本選手は2014年からこのグラブを試合用として、4シーズン使い続けているんです!
捕殺は合計で1743回。数々のスーパープレーを生み出した相棒です!!日頃のケアや修理の賜物ですね♪(巨人担当) pic.twitter.com/qJS9BBWWNZ
— ミズノベースボール (@MIZUNOPRO_JP) February 7, 2018
井端さんに「二遊間のゴロの処理は超一級品で日本一」と褒められるほどの守備力は道具を大事に大事に使うことによって身に付いたものなのかもしれませんね。
ちなみにテレビで紹介されたことで知られるようになった、簡易冷凍庫を持ち込んでイニング間にグラブを冷やしているというエピソードは、オイルを入れて革が柔らかくなりすぎるのを防ぐためとのこと。
はじまりは2014年の夏の京セラドームで、夏のグラブの”へたり”が気になった坂本が試しに冷蔵庫で冷やしたところ良い感じだったようで、そこからよりカチッと冷やせる冷凍庫へ移行したんだそう。
最近は早く新しいものを、と考えてはいるようですが「なかなか見つからない」とインタビューで答えていました。
2020シーズンはキャメルカラーのグラブでスタート。これまで練習用として使っていたサブのひとつでしょうか。
追記
2019シーズンまで使っていた「井端グラブ」は残念ながら当該シーズン限りで役目を終えたようです(6年間愛用)。
2020シーズンに使っているグラブはミズノ社から提供された中から厳選したものだそう。製作はグラブマイスター・岸本耕作さんで型は井端モデル。
ただ、開幕前に井端さんから前のものと同じく「巧」の刺繍が入った新しいグラブが届けられたそうなので慣らしが済めば試合でも使用されるかもしれませんね。
坂本が使っているのはミズノの最上級ブランド「ミズノプロ」のグラブですが、「坂本モデル」として同じミズノの「グローバルエリート」ブランドからも軟式や硬式のグラブが販売されています。良いものを大事にという人はミズノプロのオーダーを受け付けているお店で坂本モデルで注文するのもいいかもしれませんね。
野球用品店の方によればミズノプロとその他のブランドとの違いは「使用している素材の差」とのこと。ミズノプロの方が良い素材を使っている分だけお高いということなのでしょう。


スパイク・シューズ
スパイクは昔からアディダスのものを使っていますが、市販モデルをそのままというわけではなくカラーや素材など細かい部分を専用仕様にした特注品を着用しています(例年オフにデザインや機能性をモデルチェンジ)。やや長めのミドルカットタイプに見えますね。
現在のベースはスパイクとソックスが一体型のブーティー構造になっている「ADIZERO(アディゼロ)」シリーズをカスタムしたものでしょうか。足袋のような高いフィット感を実現し足ブレを防げるらしいです。
坂本はインタビューで、内野手には横の動きなど細かい動きが多いので、スパイクの軽さと踏ん張ったときに足がブレないことはとても重要と語っていました。
スパイクに求めるのは軽さと安定感とのこと。
それから、バットやグラブなど野球道具にはさまざまなこだわりを持つ坂本ですが、スパイクも例外でなく球場のコンディションによって複数のスパイクを使い分けています。
ホームの東京ドームなどで使うメインと、黒土の甲子園用、芝が滑りやすく踏ん張りが効きにくいナゴドや札幌ドーム用といった感じ。
片岡治大コーチが現役の頃もグラウンドのコンディションに合わせて3種類のアディダススパイクを用意していましたが、坂本も同じように繊細なタイプなのでしょう。
バッティンググローブ
バッティンググローブも「アディダス」のもの。
毎年のように新しいモデルに変わっていますが、基本のカラーはホワイトとやや黄色っぽい赤・スカーレットの組み合わせを好んでいる様子。
野球はミズノが強いのでバッティンググローブもミズノの商品を使っている選手が多いですが、アディダスのバッティンググローブも負けず劣らず良いみたいですね。特にフィット感が。
ゴルフの革手袋に近い感じらしい。

野球殿堂博物館で撮った写真
坂本の他にはヤクルトの山田、中日の高橋周平、日ハムの西川などもアディダスのバッティンググローブを愛用しています。
2000本安打達成の坂本やミスター・トリプルスリーの山田がこだわりをもってセレクトしているので良いアイテムなのは間違いないでしょう。
アディダスのバッティンググローブや走塁用手袋などは毎年新モデルが発売されますが、坂本が使うカラーは特に人気があり、すぐに売り切れてしまうのでほしい人はお早めに。
5T バッティンググローブの20年春夏新モデルはこんな感じです。毎年微妙にデザインが変わっています。
【#ヤクルト ー #巨人@#神宮】
試合前練習中の #巨人 #坂本勇人 (撮影・河野匠) #キャプテン の渋い表情もまた、絵になりますね❗️#giants#無観客 #プロ野球 pic.twitter.com/DgqidqVv2m— 日刊スポーツ 巨人担当 (@nikkan_giants) June 27, 2020
守備用手袋
守備用手袋はグラブと同じミズノの「ミズノプロ」を使用。人差し指の部分についた「ランバードマーク」が目印ですね。ちなみに「グローバルエリート」の守備手袋は人差し指に「GlobalElite」の文字が入っています。
ただし、カラーリングや細かい部分などは坂本専用になっているので、市販品では全く同じものは販売されていません。
坂本が守備用手袋を使用するのは、グラブとの隙間をなくす意識があるとのこと。
守備用手袋にも滑り止めをつけ、グラブを外すのも難しいくらい隙間をなくしてグラブを自分の手のように使っているとメーカー担当者が言っていました。
市販品では「ミズノプロ」の赤白カラーが一番近いと思います。(人差し指部分などの配色が微妙に違う)
白と黒の高校野球対応バージョンもあり、球児にも人気のモデルです。
走塁用手袋
スライディング時や選手との接触時に手を保護し、ケガを防止する走塁用手袋(スライディンググローブ)はバッティンググローブと同じくアディダスのもの。
毎年新モデルを着用しています。たまに市販品とはカラーが少し異なる専用モデルを着用していることも。(プロトタイプなのかも)

2021年5月9日のヤクルト戦で帰塁の際に右手母指末節骨を骨折してからはケガ防止のためにPRO社のスライディング・グローブを着用することも。
主にランナーが詰まっていない状況で着用していました。
5本の指全てをしっかりガードするタイプなので安心ですね。
リストバンド
白地にゴールドのロゴが入ったロングタイプのリストバンドもアディダス。
バッティンググローブと走塁用手袋、そしてリストバンドは仲良しの山田と同じ組み合わせ(色違い)です。
バッティンググローブや守備用手袋同様、坂本と同じカラーのホワイト×ゴールドはすぐに品薄になるので、新モデルが発売されたときに確保しておいたほうがよさそうですね。
エルボーガード
エルボーガードはバットと同じSSKのものを着用。
カラーはホワイトとレッド系ですが、市販品でこのカラーは販売されておらず、野球用品店さんが独自で受け付けているカラーオーダーなどを利用する必要があるようです。
市販品はホワイトやブラック、ネイビーといった地味なカラーなので高校野球にも対応していて球児にも人気があります。

トレーニングシューズ
室内トレーニング時などに使うトレーニングシューズはスパイクと同じアディダスのもの。
#坂本勇人 、23年開催予定WBC出場へ意欲「必要とされるのであれば、断る理由はないです」 https://t.co/DRoHuu9eEz #巨人 #ジャイアンツ #読売ジャイアンツ pic.twitter.com/EBib7utvwj
— スポーツ報知 巨人取材班 (@hochi_giants) January 12, 2022
↑2022年の自主トレ時に着用しているのは「アディゼロ ジャパン」っぽく見えますね。カラーはレッド系かな?
軽さとフィット感、さまざまなコンディション下での高いグリップ力が特徴のシューズです。
「アディゼロ ジャパン」は定期的にモデルチェンジされていて、2022年1月現在の最新モデルは「アディゼロ ジャパン6」。
以上が坂本愛用の野球用品の数々です。
- バット…SSK【proedge(プロエッジ)坂本専用カスタマイズ】
- グラブ…mizuno【ミズノプロ(井端モデル)】
- スパイク:adidas【坂本専用カスタマイズ】
- バッティンググローブ:adidas【5T バッティンググローブ】
- 守備用手袋:mizuno【ミズノプロ坂本専用カスタマイズ】
- 走塁用手袋:adidas【5T スライディンググローブ】
- リストバンド…adidas【5T アセットリストバンド】
- エルボーガード…SSK【打者用エルボーガード】
- トレーニングシューズ…adidas【アディゼロ ジャパン】
その他、スポーツネックレスはAXFのものを愛用しています。

1メーカーだけに全ての用具を任せている選手も多いなか、坂本はグローブはミズノでバットはSSKでスパイクはアディダスなど、メーカーを問わず気に入ったアイテムを使用しています。
デビューからしばらくの間は違うメーカーのものを使っていたこともあったので、試行錯誤を重ねて今の状態に至ったのでしょう。
ジャイアンツの若手選手たちはプレー面だけでなく、坂本の道具に対するこだわりなんかも学んでもらいたいものです。

コメント