スポーツ報知が新聞休刊日の5月7日付け紙面でプロ野球各球団と日本人メジャー、計14チームの「歴代ベストオーダー」を選出しました。
ジャイアンツのベストオーダーは長嶋さんや王さんなど日本の野球界全体で見てもトップクラスのレジェンドが選ばれています。
スポーツ報知が選ぶジャイアンツ歴代ベストオーダー
監督 | 川上 哲治 | ||||
1 | 柴田 勲(G在籍1962~1981) | ||||
中 | 2208試合 | 2018安打 | .267 | 194本塁打 | 708打点 |
2 | 篠塚 和典(1976~1994) | ||||
二 | 1651試合 | 1696安打 | .304 | 92本塁打 | 628打点 |
3 | 王 貞治(1959~1980) | ||||
一 | 2831試合 | 2786安打 | .301 | 868本塁打 | 2170打点 |
4 | 長嶋 茂雄(1958~1974) | ||||
三 | 2186試合 | 2471安打 | .305 | 444本塁打 | 1522打点 |
5 | 松井 秀喜(1993~2002) | ||||
右 | 1268試合 | 1390安打 | .304 | 332本塁打 | 889打点 |
6 | 川上 哲治(1938~1958) | ||||
指 | 1979試合 | 2351安打 | .313 | 181本塁打 | 1319打点 |
7 | 高橋 由伸(1998~2015) | ||||
左 | 1819試合 | 1753安打 | .291 | 321本塁打 | 986打点 |
8 | 阿部 慎之助(2001~2019) | ||||
捕 | 2282試合 | 2132安打 | .284 | 406本塁打 | 1285打点 |
9 | 坂本 勇人(2007~) | ||||
遊 | 1670試合 | 1884安打 | .293 | 223本塁打 | 800打点 |
先発 | 別所 毅彦(1949~1961) | ||||
662登板 | 310勝 | 178敗 | 2.18 | 1934奪三振 |
・スタルヒン・中尾 碩志・堀内 恒夫・藤本 英雄・斉藤 雅樹・桑田 真澄・西本 聖・槇原 寛己・城之内 邦雄・角 三男・クルーン・西村 健太朗
捕手
・森 昌彦
内野手
・原 辰徳・土井 正三・川相 昌弘
外野手
・清水 隆行・高田 繁・駒田 徳広
>>巨人の歴代ベストオーダーは…野手は阿部、王、長嶋、坂本、松井、川上が不動…エースには堀内を選ぶ|スポーツ報知
巨人の歴代ベストオーダーを見て感じたこと
ベストオーダーを見ると、川上哲治さんが指揮を執りONが大活躍したV9時代と、原監督が率いた2000年付近の選手から多く選ばれています。
最近までV9時代の選手たちのことはほとんど知らなかったのですが、コロナの自粛期間中に故・野村克也さん執筆の「巨人軍論」という本を読み、どういう特徴の選手がいたのかをぼんやりと知ったところです。
その中でも特に印象に残ったのは、以下の選手たちです。
1番センター・柴田勲
1番センターに選ばれている柴田勲さんは出塁率が高くて盗塁もできる選手でした。
野村さんの本によると、柴田さんは自分の判断で牽制をしない投手の時に、牽制のサインを出す捕手の動きをチェックし軽々盗塁する技術を持っていたと書いてありました。
チームの流れを作る役割を果たしていたのでしょう。
2番セカンド・篠塚和典
2番は現在も解説者として活躍されている篠塚和典さんです。
高打率でチャンスに強く、守備も上手な選手だったようですね。
解説を聞いているととてもクールな印象ですが、現役時代もああいう感じだったのでしょうか。
3番ファースト・王貞治|4番サード・長嶋茂雄
3番4番はもはや説明不要のスーパースターONコンビ。
異常な打撃成績もさることながら、野村さん曰く、この二人はチームの鑑だったそうです。
普通ONクラスの選手なら多少なりとも手を抜くところを、二人はバッティングでも守備練習でも周囲の人間が「そんなにやらなくてもいいのに…」と思うくらい真剣に取り組んでいたようです。
それを周りの選手たちが見て、あの二人がこれだけやるのだから自分たちは彼ら以上に頑張らないといけないという気持ちにさせていたとのこと。
三冠王も獲った野村さんに、「王の素振りに較べれば、私のそれなんて遊びだった」と言わせた王さん。リアルタイムで見たかった。
監督と指名打者の二つのポジションで選ばれた川上哲治
そしてそのONコンビを絶対的な存在へと育て上げたのは、監督と指名打者の二つのポジションで選ばれた川上哲治さん。
野村さんの本には川上さんの凄さだけが書かれていて文句のひとつもありませんでした。本当に尊敬していたんですね。
川上さんは「人間教育」を大事にし、スーパースターONや400勝投手の金田さんに対しても一切特別扱いしなかったそうです。
ミーティングの席に長嶋さんが筆記用具とメモを持ってこなかったことを川上さんが烈火のごとく怒ったというエピソードもありました。
ちなみに野村さんがヤクルトの監督を務めていた時、長嶋一茂さんはメモを取るふりをして漫画を描いていたそうです(笑)
ともかく、川上さんは選手としても指揮官としても並外れた能力を持っていた方というのがよく分かりました。
ただ、一塁守備に関しては長嶋さんが「お不動様」と呼ぶくらいほとんど動かなかったようですね。
5番以降は2000年付近の選手が多く選出、9番は現役の坂本勇人
そして5、7、8番に数年前まで活躍していた松井・高橋・阿部の三人が選ばれ、9番には現役の坂本キャプテンが選ばれています。
V9時代の広岡達朗さんや土井正三さんを差し置いての選出はやはり圧倒的なスター性とショートとしては規格外の打撃力が理由でしょうか。
広岡さんは現在のジャイアンツに対してよく苦言を呈されるので少し苦手に思われているファンの方も多いと思いますが、野村さんの本では川上さんと同様素晴らしい指導者として紹介されています。
徹底した「管理野球」が信条のお二人なのでタイプがよく似ているのかもしれませんね。西武ライオンズ時代の監督成績を見るとトップクラスの指揮官なのは間違いなさそうです。
そんなレジェンドがいるにもかかわらず名前が挙がった坂本キャプテン、さすがですね。
捕手は圧倒的な打撃力の阿部慎之助が選出、対抗馬はV9時代の名捕手森昌彦
そして捕手の部門でも打撃力が評価された阿部二軍監督が選ばれています。
対抗馬はV9時代の名捕手森昌彦さん。
野村本には「ぼやきの野村、愚痴の森」とよく比較されていたとありました。
森さんは打撃力は高くなく肩もそれほど強くないのに、毎年入団してくる世代トップクラスの捕手とレギュラー争いを繰り広げ、ことごとく勝利してきたそうです。
その理由は「インサイドワーク」。すなわち頭脳にあったと野村さんは分析しています。
森さんは岐阜高時代、東大にも進学できるほど学業優秀だったんだとか。
進んでブルペンキャッチャーを務め、投手陣の球種を知り、打者のデータや癖を集められるだけ集め、それらを上手に活用していたとのこと。
その他、当時チームが目指していた「少ない得点を隙のないチームプレーで守り抜く」というドジャーススタイルに守備型の森さんが合致したことも、彼が長い間正捕手を守り続けた理由ではないかと野村さんは推測しています。
今の時代の捕手は守備力よりも打撃力のほうが評価されがちですが、私も守備に特化したキャッチャーが好きですよ。
さいごに
それにしても全球団の歴代ベストオーダーとはなかなか面白い企画でしたね。
個人的にはどうして菅野がベンチにすら入ってないんだ?とちょっと不満の残るオーダーではありますが(笑)
でも、大好きなチームに所属していたいろいろな選手を知る機会になるので、今後も定期的に続けてくれたらなぁと思います。
現役の選手たちは何十年後かにベストオーダーに選ばれるよう頑張ってほしいです。
コメント
僕はOB選手とか好きなんで、昔の選手もわかりますけど、今の若い人は全然知らないのかも知れないですね。特に柳田さん、土井さん、国松さんみたいなV9の人は。投手陣を見ると確かに菅野やぐっさんが入っててもいいと思いますけどね。将来的には岡本や山下にここに入ってきてもらいたいですね。
Fujiwaraさんコメントありがとうございます。
私はOB選手全然詳しくないんですが、今回こうしてたくさん名前を挙げてくれたことで興味が湧いてきました。
丁度野村さんの本を読んでいたところだったというのもいいタイミングだったと思います。
山下は期待の選手ですが、ちょっとまずい場所を骨折したみたいなので心配ですね…。