2月22日、宜野湾で行われたDeNAとのオープン戦は、ジャイアンツが6-4で勝利を収めました。
おおまかな試合の流れは以下の通りです。
- 1回裏:度会の中前安打から佐野の適時二塁打でDeNAが先制(巨0-1)
- 4回裏:度会の投手強襲タイムリー、桑原の右前2点タイムリーでDeNAが3点追加(巨0-4)
- 6回表:門脇の一ゴロの間に1点、秋広の中前タイムリーで2点返す(巨2-4)
- 8回表:中山の中前タイムリー、大城の逆転3ランで4点奪取(巨6-4)
印象に残った投手・野手
投手陣では、先発ローテの一角である山崎伊織が安定感のある投球を見せました。
狙ったところにある程度投げ込める制球に加え、ストレートの球威もなかなか。変化球の精度も高く、スタミナ以外は今年も期待できそうですね。
又木は腕を若干下げた新フォームがまだ完全には固まっていない感じ。
3失点ながら素晴らしい球も何球かあったし、配球や守備次第では違う展開もありえた内容かなと思いましたが、ピンチや守備でバタバタする様子はちょっと高梨っぽかった。メンタル面の強化が課題かな。
打撃陣では秋広が6回の中前適時打で貴重な1打点。
内容的には物足りない部分もありましたが結果を残せたのは収穫です。気になったのは前回の記事でも書いたようにアウトコース低めの対応。特に緩い球への対応力を上げないとですね。

岡田は引っ張り方向への強い打球が印象的で、内野を強打で抜く場面も見られました。ただ、タイミングを取るのが苦手な傾向は変わらず。立ち遅れが気になります。
門脇は選球眼の良さが目立ちました。有利なカウントでの勝負が増え、手首の返しも改善。打撃面での成長が感じられます。
佐々木ジョージは相変わらず守備の粗さが気になりました。強肩を活かしきれていない印象で送球のコントロールに課題が残ります。
打撃のほうはインパクトゾーンを長く取れていて個人的に嫌いなスイングではありませんが、どの場面でも強く打ちにいくスタイルはケースバッティングを重視する阿部監督の目にどう映ったんでしょうか…。
この試合で一番勝利に貢献したのは、8回の逆転劇の立役者・大城。
フルカウントからの緩い球を完璧に捉えてのスリーランホームラン。さすがの対応力でした。あの場面で緩い球を待っていたのか、それとも天性の感覚で対応できたのか。相変わらずの感覚派らしい一打でしたね。
相手チームでは度会の調子の良さが目立ちました。
少し前にYouTubeの「トクサンTV」で紹介されていた内容では、オフの間にかなり鍛えてきた様子で今年にかける強い気持ちが伝わってきました。まだオープン戦ですが最多安打を狙えそうな質の高さを感じました。
ピックアップ選手|戸郷翔征
開幕投手に決定している戸郷は、2024年シーズンに180イニングを投げて12勝8敗、防御率1.95、FIP3.02、WAR2.6という成績を残しました。
常に平常心を保ちながら、まるでベテラン投手のような投球術を披露し、質の高いストレート、スライダー、フォークの3球種を操るジャイアンツのエースに成長。
ただ、「出力」という面では、入団1、2年目の頃の方が凄かった。
菅野も「球の質や球威は昔の方が良かった」と語っていましたが、ストレートの平均球速も昔の方が速かったです。
その代わり、制球力の向上やフォーク、スライダーのキレと変化の改善、そして投球の引き出しが増えたことで総合力は大幅にアップしています。
でも今年は出力の面でも期待できそう。
体が一回り大きくなっているのが見て取れますし、始動前の動作をノーワインドアップから菅野風に変えて、リリース時の踏み込みも力強くなっています。

2025年戸郷のフォーム

2024年菅野のフォーム
リリース後の体の跳ね上がり(キックバック)を見ても去年とは全然違う。むしろ入団1年目に近いくらいです。

体が跳ね上がるほどの強烈なキックバック
今日の試合では体の開きが早かったりリリース位置にばらつきが見られたりと、まだ不安定な部分はありましたが、今のところ順調に調整できているように見えます。
精度を保ちながら出力を上げるのは簡単ではないけど、戸郷は頭の良い投手なのできっと両立してくれるはず。
今年はエース級の投手に投げ勝っての15勝以上を期待したいですね。
まとめ
オープン戦初戦は大城の劇的な逆転3ランで白星発進。オープン戦なので結果以上に内容が重要ですが、負けるよりは勝つ方がやっぱり気持ちいいですね。
先発ローテを担う戸郷と山崎伊織がしっかりとした投球を見せてくれたのは大きな収穫です。
ただ、試合全体を通してミスの目立つ展開になりました…。
阿部監督も「ボロが出たら2軍にドンドン落ちていく。厳しいですけど、もうそういう競争の時期だと思うので。気を引き締めてやってもらいたい」と厳しい言葉を投げかけています。
ミスを恐れて縮こまるのはダメだけど、当落線上の選手たちは危機感を強く持って積極的にアピールしてほしいですね。
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