3月24日、東京ドームで行われたオープン戦最終となる楽天とのゲーム。
初回に先制点を奪われるも、その裏に丸のツーランで逆転に成功しました。
4回には岡本さんのソロホームランと尚輝のツーランで計3点を追加し、5-1とリードを広げる展開に。
しかし、6回に馬場と西舘が4点を失い同点に追いつかれ、7回にはケラーが2点を奪われて勝ち越しを許してしまいます。
最終回に代打の梶谷が1点を返しましたが、あと一歩及ばず6-7でゲームセットという試合内容でした。
高橋礼の投球について
良いところも悪いところもたくさんあった試合ですが、まずは先発の高橋礼の感想から。
高橋礼は5回を投げて3安打1四死球3奪三振1失点という結果でした。
数字だけ見ると間違いなく好投ということになりますが、内容的にはなかなか評価が難しい。
バッテリーを組んだ小林が構えたところにきちんと投げられたのは3球に1球もなかったんじゃないでしょうか。
制球に関しては去年までの悪い高橋礼とあまり変わりないように見えましたね。
ただ、そんな制球難の高橋礼に対して小林は高めのボールを要求し続けました。
アンダースローの投手にとって最も効果的と言われる高めのストレートを投げ切れないのではシーズンに入っても戦えないという判断だったんでしょうね。
これは小林だけの判断ではなく投手コーチやバッテリーコーチを含む首脳陣の判断でもあったと思います。
そのチャレンジがだんだんと形になり、2巡目の茂木の打席で高めのストレートを見せてからシンカーで仕留めるという対左の理想の打ち取り方につながりました。あれは良かった!
その後は良いボールもあれば悪いボールもあるという感じで、不安定な部分もありつつ要所は締めるピッチングで5回を投げ切りました。
個人的には時々投げていたスライダーが面白いと思いました。ストレートも変化球も基本シュート回転のボールが多いので真っスラっぽいあのボールは効果的に見えましたね。
今日の好投で開幕3戦目の阪神戦に登板するのは確定的でしょうか。
ホークスでの悪い時の高橋礼の投球もたくさん見ているので、シーズンを通して良いピッチングができるかというとなかなか難しいんじゃないかというのが正直な気持ちです。
でも、舞台がセ・リーグになったことやアンダースローのアドバンテージに加え、今日のように制球難の中でもストライクゾーン内でボールが暴れてくれていれば面白い存在になるかもしれません。
丸と吉川尚輝の活躍
高橋礼以外で良い印象を受けたのは丸と尚輝。
両選手とも素晴らしいホームランでした。
新しい良い選手がたくさん出てきたので、二人とも少し影が薄くなってきてるけど、ジャイアンツには欠かせない選手たちです。
本当はレギュラー争いなんてしていていい選手たちじゃないんですよ!
丸にはカープ時代のような四球か長打みたいなあの怖いバッティングをもう一度見せてもらいたいし、尚輝には守備だけじゃなくてマエケンや秋山に絶賛された天才的な打撃でタイトルを是非取ってもらいたい。
二人とも打撃フォームをいじったので春季キャンプやオープン戦の序盤はイマイチだったけど、開幕前に状態が上がってきて本当に良かったです。
たくさんのファンの期待に応える大活躍を期待しています!
リリーフ陣の苦しい投球
ポジティブな感想はこのくらいにして、次はあんまり書きたくないネガティブな感想を少し。
4点差をひっくり返されての逆転負けなので、リリーフについて触れておきます。
一番苦しい投球だったのはやっぱり2番手で登板した馬場ですね。
いつもはこんなんじゃないんだろうけど、この試合に関してはボールの質も制球も一軍レベルではありませんでした。
小林がど真ん中に構えてもほとんど投げ切れない制球力も大問題だけど、140キロ中盤しか出ない球威のないストレートやキレのない変化球の方が不安になりました。
次回登板時には見違えるような投球を見せてくれることを期待しています。
グロッキー状態の馬場を助けるためにマウンドに上がった西舘も災難でした。
球自体はけっして悪くはなかったんだけど、結果的には同点に追いつかれてしまい開幕に向けて少し嫌な感覚が残ってしまったんじゃないかと思います。
小林も高橋礼とはうまくやってたんですけどね。西舘に対しては助けるどころか足を引っ張ってしまいました。
相手が押せ押せムードになって、味方が浮足立っている時こそ経験豊かなベテランは淡々と自分の仕事を全うしなければいけないのに、この同点パスボールはまさに痛恨…。
同点に追いつかれた後は、4番手のケラーが2点を奪われて勝ち越しを許してしまいました。
ケラーもボール自体は悪くなかったけど、牧田球審の厳しい判定が何度か続いたのが精神的に堪えたかもしれませんね。
阿部監督がキャッチャーに求めるのは「勝つこと」。
負けるキャッチャーは打とうが何をしようが評価されないと言っていました。
4点リードから同点に追いつかれた小林、そして勝ち越しを許してしまった大城はもしかしたらミーティングでこっぴどく叱られたかもしれません。
岸田や山瀬も下で虎視眈々と一軍の席を狙っていると思うので二人(特にエラーをしてしまった小林)は気合を入れ直して頑張ってほしいです。
門脇の課題
最後は門脇について。
守備に関しては、1個エラーを喫したものの、盗塁時のタッチプレーや緊迫した場面での堅実な守備はさすがでした。
少しのミスで逆転という場面で簡単ではないバウンドを難なく処理するところは、さすがの強心臓というか2年目とは思えない落ち着きでした。
でも、バッティングに関しては、とにかく強いストレートが打てないのが苦しすぎる。
これは2年目のジンクスとかいうのではなく、去年から継続してダメな部分なんです。
バッティングの指標を見ると、ストレートに対する得点貢献を表すwFAは-7以下で12球団の中でもトップクラスに低い値です。
ここまで明確な弱点があると、力のあるストレートを投げられる投手にとってはイージーな相手になってしまいます。
ストレートでゴリ押しすればファウルか空振りで簡単に追い込めるので、そこからはボールゾーンの変化球かインコースの厳しいゾーンにストレートを投げ続け、余裕がなくなったらストライクゾーンにストレートを投げる。
こういう攻略法が効果的ですよね。
去年はシーズン中盤~後半にかけて逆方向に流すことである程度克服したように見えましたが、強く振ることはできる選手なので、もう一段上の打撃をするためにはやっぱり引っ張りたいんだと思います。
でも当たらない。当たっても前に飛ばない。
今日の試合なんかは、ストレート狙いでストレートが来てるのに当たらないし当たってもファウルになるという苦しすぎる状況で、見ているこっちも息苦しくなってしまいました。
まるで全然できない仕事なのに大勢の前でそれをしなければならないけどそこからは絶対逃げられないみたいな…私なら到底耐え切れないです。
でも、門脇は逃げずに強くバットを振り、守備でもいつも通りのナイスプレーを連発していました。
それを見た時に、この選手の最大の武器は鋼のメンタルなんだなと再確認しました。
この苦しすぎる状況をどうやって打破していくのか、興味深く見守っていきたいと思います。
さいごに
長くなってしまったので今回はこれくらいに。
今季最後のオープン戦は残念ながら負けてしまいましたが、良い部分もたくさんあったし、悪い部分をシーズン前に吐き出せて良かったと思います。
春季キャンプ~オープン戦のチームの状況を見るに、今年は優勝も十分射程圏内。
3月29日のシーズン開幕が楽しみです!
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