2024年の東京ドーム初戦となるロッテとのオープン戦は、序盤はチャンスを活かせない展開が続いたものの、終盤に見せ場が訪れ最後は泉口が決めて3-2でサヨナラ勝利しました!
山崎伊織の圧巻の投球
この試合で一番印象に残ったのは、やはり先発の山崎伊織の好投です。
6回76球を投げて4安打1失点、5奪三振という結果でした。
この1失点もサード強襲のヒットと打ち取った当たりのレフト前ヒット2本で、ほぼ完璧な内容だったと思います。
ストレート系の球には力があり、打者のすぐ手前で鋭く変化するカットボールとフォークは圧巻の一言。むしろ「えげつない」という言葉の方が適切かも。
極めつけはカウントも稼げて決め球にも使えるスローカーブ。
このボールで何人もの打者を打ち取っていました。
相変わらずの自信に溢れた豪胆な投球スタイルは健在ですね。
春季キャンプでの初登板を見た時に、ほっといても二桁は勝ってくれそうだと感じていたところ、前回のホークス戦で好調の晃をスローカーブで完全に崩したのを見て、タイトルを獲得できる可能性もあると思うようになりました。
そして今日の試合で、絶対にタイトルを獲るだろうという確信を持ちました!
トミー・ジョン手術から復帰後、シュート系の球種を多投してかわすようなピッチングをしていた時期は、もう大学時代の圧倒的な投球は見られないのかもしれないと残念に思っていましたが、あの頃を超える投球が今では見られるようになり本当にうれしく思います。
「No.1」の投手を目指して、これからも良い投球を見せてもらいたいです。
西舘、1発を浴びるも見事なリカバリー
投手陣では、9回に登板した西舘のピッチングも印象的でした。
先頭打者の萩野にストレートを4球続け、レフトスタンドへ勝ち越しホームランを被弾してしまいましたがそれ以降のリカバリーは見事でした。
カーブで体の開きを修正しながら緩急をつけ、その後の打者を三者三振!
カーブを投げさせることでストレートのシュート回転が改善し、短い間にストレートが見違えるくらい良くなりました。
菅野や則本など、フォームが乱れた時にカーブを修正のために投げる投手は多くいますが、西舘もそのタイプの投手なのかもしれません。
実はカーブという球種は、ほかの球種と比較して唯一、小手先では投げられないボールなんです。下半身主導で出ていき、しっかりと上半身と連動させて体を使わないといけません。フォームをチェックする際に、カーブを投げる選手もいますからね。
菅野智之のピッチングバイブルより
カーブを多投してフォームを修正する案が岸田主導のものなら、今後のことを考えると萩野への配球を帳消しにしてお釣りが溢れるくらいのグッジョブだったと思います。
こんな修正力を見せられたらますます西舘を先発で見たくなる。うーん悩ましい…。
佐々木俊輔、1番打者として理想的な打撃
打線では、相変わらず好調の佐々木“ジョージ”俊輔の活躍が光りました。
1打席目は厳しいコースに手を出さず、最後はアウトコースのボールを逆らわずに逆方向に流し、盗塁も成功。
2打席目は初球からしっかり振りにいき、先の塁を狙う、走・攻での積極性を見せてくれました。
チームの方針は球数を投げさせることだけど、ただクサイ球をカットしてズルズルと粘って球数を投げさせたり四球を狙いにいっても、投手からすれば鬱陶しいだけで怖さはありません。
甘い球が来たら強く振ってくるというイメージを投手にもってもらわないとダメというのをよく分かったバッティングだと思いました。
打てるところはガンガン振る積極性と、厳しいところはしっかり見逃す選球眼を兼ね備えた1番打者向きの良い選手ですね。
松原も結果を残しているけど、現在の状況なら佐々木を1番で使いたい。
そういえば、以前はバットを立てて構えていたけど今日は寝かせてました。
こっちの方が動きがシンプルになって立ち遅れにくくなるので速いボールにも対応しやすそうですね。
丸、新たなバッティングフォームで確実性を高める
そして、興味深いバッティングをしていたのが3番の丸です。
今季はキャンプの序盤に、阿部監督のアドバイスを受けてバットの軌道を修正している姿が印象的でした。
以前よりもトップの位置が浅く、低くなっていますよね。
本当はもう少しキャッチャー寄りまで深く引きたいんだと思うけど、丸は球界でもトップクラスに体が硬い選手。多分、キャンプ中盤に脇腹を痛めたのもその影響だと思います。
なので、おそらく限界がこの辺なんだと思いますが、昨年よりも懐が狭くなって、ボールを引き付けにくくなっているように見えます。
こんな小さいスイングじゃ大きな当たりは飛ばせないように見えるんですけど、そこはパワー自慢の丸。
今日も軽く当ててフェンスまで持っていってたので、そのあたりは問題ないんでしょうね。
春季キャンプの時はトップの位置が安定せずに探り探りという感じだったけど、最近はかなり固まってきて、だんだんとサマになってきました。
今回のフォーム変更は、ボールを点ではなく線でとらえるための軌道修正なので、確実性を上げるためには正しい選択だと思います。
できるだけ早く自分の形を見つけてもらいたいですね。
小林、最終回の同点打で存在感を示す
そして、最終回に同点打を打った小林。
オープン戦では出場機会が少ない中で、攻守にしっかりアピールできていると思います。
個人的には、主戦捕手はもちろん大城、2番手捕手には山瀬か岸田(どちらかというと山瀬かな)を、そして3番手に小林を置いてほしいです。
いつも通り、一部のジャイアンツファンからの評価はすこぶる悪いですが、月刊ジャイアンツなどを見ると現場の評価はとても高く、多くの選手たちからの信頼も厚いので精神的な支柱としてもチームに貢献できると思います。
ここ数年は出場機会も減ってきたので、プロ野球選手として活躍できる期間はそれほど長くないかもしれません。
好きな選手なので悔いが残らないように最後まで頑張ってほしいですね。
門脇と中山、打撃面での課題が浮き彫りに…
最後に、心配というかネガティブな印象を受けたのが門脇と中山です。
門脇は、佐々木が良かっただけに、相変わらず球威のあるストレートへの弱さが目立っていましたね。
守備がとても優れた選手なので、打てなくてもチームへの貢献度は高いですが、去年もwRC+は76と、打撃に関しては厳しい数字だったし、選球眼もそれほど良くないので、下位で楽に打たせる方がいいと思います。
中山に関しては、なんとか結果を出したいという気持ちが強すぎて、力みまくっていましたね…。
前かがみでボールを見よう見ようとしていて、投手との距離が全然取れていない感じでした。これでは打てるものも打てないのでは?
個人的に、中山の打撃センスは間違いなく高いと思っているし、とても期待している選手なので、なんとか自分の形を見つけてほしいと思いました。
久しぶりにたくさんの選手の感想を書いたので長くなってしまいましたが、東京ドーム初陣をサヨナラ勝利で飾った良いゲームでした。
この調子で勝ちまくって開幕戦を良いムードで迎えたいですね!
コメント