「NPB AWARDS」は各球団の主力選手が集まり、その年度におけるリーグ戦の各タイトルを表彰する日本野球機構(NPB)主催のスポーツイベント。正確には「NPBアワーズ」だと思うのですが、「NPBアワード」と呼んでいる人が多いですね。
「記録タイトル部門」の表彰はリーグ戦終了時点で確定しているので特別驚きはありませんが、「最優秀選手賞(MVP)」「最優秀新人賞(新人王)」「ベストナイン賞」や特別表彰の発表は毎年ドキドキしながら見ています。
日程・会場・チケット
例年は「グランドプリンスホテル新高輪」で開催され、観覧チケットを購入することで観覧者も参加可能なイベントでしたが、今年はドラフトなどと同様に無観客でリモート開催される可能性が高いのではないでしょうか。
開催日時
2020年12月17日(木)
- (第1部)ファーム表彰式 12:30~13:30(予定)
- (第2部) 16:30~18:45(予定)
放送・中継予定
J SPORTS 1(有料) | 第一部 12:25~14:15 第二部 16:25~19:00 |
無料放送は「BS-TBS」が23:00~24:00まで録画放送予定です。
特別賞
「正力松太郎賞」はその年の日本プロ野球の発展に大きく貢献した人物を対象として贈られる賞ですが、近年はよほどインパクトのある活躍をした人物がいない限りは日本シリーズ優勝監督が選ばれています。
ということで、2020年度も前年に引き続き日本シリーズを制した工藤公康監督が選ばれると思います。
沢村賞にはすでに発表されているように中日ドラゴンズの大野が選ばれました。10完投(6完封)は本当に見事でした。
正力松太郎賞
- 工藤公康(ソフトバンク)
今シーズンのプロ野球で最も功績のあった監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、東京都内で開かれ、工藤公康監督(福岡ソフトバンク)の3年連続5度目の受賞が決まりました。
沢村栄治賞
- 大野 雄大(中日)
堀内恒夫委員長「一番悩んだのは菅野の開幕13連勝と大野の45イニング連続無失点。完投、完封、いろいろ加味して大野となった」
平松政次委員「沢村賞本来の姿を見せてくれた」
村田兆治委員「最終的には大野の完投数。別格だった」
スピードアップ賞
スピードアップ賞は試合をスピーディーに進めた選手およびチームに贈られる賞です。
投手部門はレギュラーシーズンにおいて最も平均投球間隔(無走者時)が短かった選手、打者部門は”相手投手の”平均投球間隔(無走者時)が短かった選手、チーム部門は最も平均試合時間(9回試合のみ)が短かったチームが選ばれます。
石川柊太はずっと狙っていた賞だったのでよかったですね!一人だけコメントが長くて熱い(笑)
投手部門
- 戸郷 翔征(巨人)…10.8秒
- 石川 柊太(ソフトバンク)…8.8秒
打者部門
- 近本 光司(阪神)…12.0秒
- 小深田 大翔(楽天)…12.7秒
チーム
- 中日ドラゴンズ(セ・リーグ)…3時間4分
- オリックス・バファローズ(パ・リーグ)…3時間11分
→「ローソンチケット スピードアップ賞」受賞者コメント|NPB公式
特別表彰
最優秀監督賞は例年通りそれぞれのリーグを制した監督が選ばれるでしょう。セ・リーグは原辰徳監督、パ・リーグは工藤公康監督ですね。
特別賞は今季優れた成績を残した選手に、功労賞は偉大な実績を残し現役を引退した選手に与えられることが多い賞です。
2020年はジャイアンツの岩隈久志投手、阪神の藤川球児投手、中日の吉見一起投手、カープの石原慶幸捕手、ヤクルト五十嵐良太投手、ロッテの細川亨捕手、西武の髙橋朋己投手、楽天の渡辺直人選手、久保裕也投手、青山浩二投手、オリックスの山崎勝己捕手ら、長年NPBで活躍した多くの選手が引退しました。
セ・リーグ最優秀監督賞
- 原 辰徳(巨人)
セ・リーグ特別賞
- 菅野 智之(巨人)
- 菊池 涼介(広島)
パ・リーグ最優秀監督賞
- 工藤 公康(ソフトバンク)
特別賞(コミッショナー特別表彰)
- 周東 佑京(ソフトバンク)
記録タイトル部門
セントラル・リーグ
投手部門
最優秀防御率投手賞 | 大野 雄大 | 中日 | 防御率 | 1.82 |
最多勝利投手賞 | 菅野 智之 | 巨人 | 勝利 | 14 |
勝率第一位投手賞 | 菅野 智之 | 巨人 | 勝率 | .875 |
最多三振奪取投手賞 | 大野 雄大 | 中日 | 奪三振 | 148 |
最多セーブ投手賞 | R.スアレス | 阪神 | セーブ | 25 |
最優秀中継ぎ投手賞 | 清水 昇 | ヤクルト | ホールドP | 30 |
最優秀中継ぎ投手賞 | 祖父江 大輔 | 中日 | ホールドP | 30 |
最優秀中継ぎ投手賞 | 福 敬登 | 中日 | ホールドP | 30 |
打撃部門
首位打者賞 | 佐野 恵太 | 横浜 | 打率 | .328 |
最多安打者賞 | 大島 洋平 | 中日 | 安打 | 146 |
最多本塁打者賞 | 岡本 和真 | 巨人 | 本塁打 | 31 |
最多打点者賞 | 岡本 和真 | 巨人 | 打点 | 97 |
最高出塁率者賞 | 村上 宗隆 | ヤクルト | 出塁率 | .427 |
最多盗塁者賞 | 近本 光司 | 阪神 | 盗塁 | 31 |
パシフィック・リーグ
投手部門
最優秀防御率投手賞 | 千賀 滉大 | ソフトバンク | 防御率 | 2.16 |
最多勝利投手賞 | 千賀 滉大 | ソフトバンク | 勝利 | 11 |
最多勝利投手賞 | 石川 柊太 | ソフトバンク | 勝利 | 11 |
最多勝利投手賞 | 涌井 秀章 | 楽天 | 勝利 | 11 |
勝率第一位投手賞 | 石川 柊太 | ソフトバンク | 勝率 | .786 |
最多三振奪取投手賞 | 千賀 滉大 | ソフトバンク | 奪三振 | 149 |
最多三振奪取投手賞 | 山本 由伸 | オリックス | 奪三振 | 149 |
最多セーブ投手賞 | 増田 達至 | 西武 | セーブ | 33 |
最優秀中継ぎ投手賞 | L.モイネロ | ソフトバンク | ホールドP | 40 |
打撃部門
首位打者賞 | 吉田 正尚 | オリックス | 打率 | .350 |
最多安打者賞 | 柳田 悠岐 | ソフトバンク | 安打 | 146 |
最多本塁打者賞 | 浅村 栄斗 | 楽天 | 本塁打 | 32 |
最多打点者賞 | 中田 翔 | 日本ハム | 打点 | 108 |
最高出塁率者賞 | 近藤 健介 | 日本ハム | 出塁率 | .465 |
最多盗塁者賞 | 周東 佑京 | ソフトバンク | 盗塁 | 50 |
ベストナイン
シーズンを通して活躍した選手をポジション別に選出し表彰する「ベストナイン」。
個人的なセ・リーグベストナイン予想は…
- 投手…菅野智之(巨人)
- 捕手…大城卓三(巨人)
- 一塁手…村上宗隆(ヤクルト)
- 二塁手…菊池涼介(広島)
- 三塁手…岡本和真(巨人)
- 遊撃手…坂本勇人(巨人)
- 外野手…佐野恵太(DeNA)、丸佳浩(巨人)、鈴木誠也(広島)
個人的なパ・リーグベストナイン予想は…
- 投手…千賀滉大(ソフトバンク)
- 捕手…甲斐拓也(ソフトバンク)
- 一塁手…中田翔(日本ハム)
- 二塁手…浅村栄斗(楽天)
- 三塁手…鈴木大地(楽天)
- 遊撃手…源田壮亮(西武)
- 外野手…吉田正尚(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)、近藤健介(日本ハム)
- DH…栗山巧(西武)
どれくらい当たっているか楽しみです!
追記…12月16日にベストナインが発表されました。今年の予想は全ポジション当たってました!無難な選出だったと思います。
セントラル・リーグ
ポジション | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | 奪三振 | QS率 | 被打率 | WHIP |
投手 | 菅野 智之 | 20 | 137 1/3 | 1.97 | 14 | 2 | 131 | 80.0% | .196 | 0.89 |
ポジション | 選手名 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
捕手 | 大城 卓三 | 93 | .270 | 9 | 41 | 1 | .339 | .412 | .751 |
一塁手 | 村上 宗隆 | 120 | .307 | 28 | 86 | 11 | .427 | .585 | 1.012 |
二塁手 | 菊池 涼介 | 106 | .271 | 10 | 41 | 3 | .334 | .423 | .757 |
三塁手 | 岡本 和真 | 118 | .275 | 31 | 97 | 2 | .362 | .545 | .907 |
遊撃手 | 坂本 勇人 | 115 | .289 | 19 | 65 | 4 | .379 | .500 | .879 |
外野手 | 佐野 恵太 | 106 | .328 | 20 | 69 | 0 | .395 | .532 | .927 |
外野手 | 丸 佳浩 | 120 | .284 | 27 | 77 | 8 | .375 | .553 | .928 |
外野手 | 鈴木 誠也 | 118 | .300 | 25 | 75 | 6 | .409 | .544 | .953 |
パシフィック・リーグ
ポジション | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | 奪三振 | QS率 | 被打率 | WHIP |
投手 | 千賀 滉大 | 18 | 121 | 2.16 | 11 | 6 | 149 | 77.78% | .207 | 1.21 |
ポジション | 選手名 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
捕手 | 甲斐 拓也 | 104 | .211 | 11 | 33 | 4 | .317 | .377 | .694 |
一塁手 | 中田 翔 | 119 | .239 | 31 | 108 | 1 | .320 | .491 | .811 |
二塁手 | 浅村 栄斗 | 120 | .280 | 32 | 104 | 1 | .408 | .560 | .969 |
三塁手 | 鈴木 大地 | 120 | .295 | 4 | 55 | 1 | .363 | .381 | .744 |
遊撃手 | 源田 壮亮 | 120 | .270 | 1 | 21 | 18 | .327 | .330 | .656 |
外野手 | 柳田 悠岐 | 119 | .342 | 29 | 86 | 7 | .449 | .623 | 1.071 |
外野手 | 吉田 正尚 | 120 | .350 | 14 | 64 | 8 | .453 | .512 | .966 |
外野手 | 近藤 健介 | 108 | .340 | 5 | 60 | 4 | .465 | .469 | .934 |
指名打者 | 栗山 巧 | 111 | .272 | 12 | 67 | 0 | .362 | .427 | .790 |
新人王・MVP
セ・リーグは中盤くらいまでジャイアンツ・戸郷翔征とカープ・森下暢仁のハイレベルな戦いが続いていました。
しかし、終盤になってからは森下が圧巻の投球を続け、最終的には二桁勝利を挙げて防御率も1点台という驚異的な成績を残しました。10、11月度は5試合に登板し、4勝0敗、防御率0・24。37投球回で自責1。
セ・リーグ新人王は森下でまず間違いないでしょう。
一方パ・リーグ新人王はなかなか難しい。
九分九厘、西武の平良海馬か楽天の小深田大翔どちらかが選ばれるとは思いますが、投手と野手なのでセ・リーグのようには簡単に比較できません。
個人的には50試合以上に登板して防御率1点台だった平良が新人王を獲るのではと思っています。
しかし、1年を通してショートとして多くの試合に出場し安定した成績を残し続けた小深田を選ぶ記者ももちろんいるはず。最終盤の11月は素晴らしい活躍だったし。
最後は記者の好みの問題になりそうですね。
- 平良海馬…【54試合】1勝0敗33H1S、防御率1.87、WHIP0.96、被打率.129、奪三振率10.53、K/BB2.14
- 小深田大翔…【112試合】打率.288、本塁打3、打点31、盗塁17、OPS.745(出塁率.364、長打率.381)
両リーグのMVPは、セ・リーグは開幕からの13連勝を達成し好調とはいえない先発陣を支えた菅野で決まりじゃないでしょうか。
日本シリーズではチームに貢献できませんでしたが、最多勝、勝率第一位の二冠はMVPに値すると思います。
パ・リーグMVPは全ての打撃指標でトップクラスの成績を残し、最多安打のタイトルも獲得したギータですね。OPSは両リーグトップの1.071、wRC+も2位に大差をつける205と圧倒的。
センターUZRを見ると両リーグ合わせて2位の位置につけており、今年は守備でもチームに貢献していました。
追記…12月17日、今季の新人王ならびMVPが発表されました。予想通りセ・リーグの新人王は森下暢仁、パ・リーグの新人王は平良海馬が選ばれ、MVPはセ・リーグが菅野智之、パ・リーグは柳田悠岐に決定しました。
なおジャイアンツの戸郷翔征がリーグ内に複数名新人王に値する活躍をした選手がいた場合に各リーグの連盟特別表彰という形で贈られる賞である「新人特別賞」に選ばれています。
新人王の投票結果を見ると、セは森下303票の圧勝でしたが(森下303票、戸郷9票、清水1票)パは接戦だったので小深田も特別賞(パは優秀新人賞?)に選ばれてもおかしくなかったですね。
セ・リーグ新人王
チーム | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | 奪三振 | QS率 | 被打率 | WHIP |
広島 | 森下 暢仁 | 18 | 122 2/3 | 1.91 | 10 | 3 | 124 | 77.78% | .231 | 1.09 |
セ・リーグ新人特別賞
チーム | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | 奪三振 | QS率 | 被打率 | WHIP |
巨人 | 戸郷 翔征 | 19 | 107 2/3 | 2.76 | 9 | 6 | 106 | 55.56% | .222 | 1.20 |
パ・リーグ新人王
チーム | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | H | S | 奪三振 | 被打率 | WHIP |
西武 | 平良 海馬 | 54 | 53 | 1.87 | 1 | 0 | 33 | 1 | 62 | .129 | 0.96 |
セ・リーグMVP
チーム | 選手名 | 試合 | 投球回 | 防御率 | 勝 | 負 | 奪三振 | QS率 | 被打率 | WHIP |
巨人 | 菅野 智之 | 20 | 137 1/3 | 1.97 | 14 | 2 | 131 | 80.0% | .196 | 0.89 |
パ・リーグMVP
チーム | 選手名 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
ソフトバンク | 柳田 悠岐 | 119 | .342 | 29 | 86 | 7 | .449 | .623 | 1.071 |
以上が2020NPBアワードについての情報や各賞の予想です。
確定した情報は随時更新していきます!
コメント
Minamiさんこんにちは。
オール正解さすがですね。
優勝補正とはいえ巨人から5人はうれしい限りです。
ですが記者はやはり記名制にするべきだと思います。
大幾に3票入れている輩がいました。
多分尚輝と間違ったのでしょうがその他も含めてレベルが低すぎます。
それでもgg賞よりはましなのがさらに残念。
トラウタニさん、コメントありがとうございます。
オール正解、自分でもびっくりです。
優勝チームからはやっぱりたくさん選んでもらえますね!
大幾のほかにモタにも票が入っていたみたいなのでそのあたりはちょっとどういう意図で投票したのか聞いてみたいところではありますが(^^;)
minamiさんこんにちは♪
minamiさんの予想が当たりすぎてすごい…。
MVPに選ばれた2人は文句なしだと思います!
朱輝さん、コメントありがとうございます。
外野を選ぶのがすごく難しかったんですが、予想が当たって嬉しいです(*^-^*)
MVPもいいところに落ち着きましたね!