東京オリンピック野球競技準々決勝(ノックアウトステージ第1戦)、日本vsアメリカ。
最後の最後までどっちが勝つか分からない好ゲームでしたが、延長10回裏に日本がサヨナラ打を放ち7-6で大勝利!!
5回に3点差をつけられたときは正直厳しいと思ったけど、やっぱりNPBを代表するスター選手たちでしたね!
それでは個人的に印象に残っているシーンを振り返ってみたいと思います。
日本のスタメンは甲斐くんに代わって梅野が先発マスク。
アメリカ代表はあまり知らない選手が多いけど、トッププロスペクトのトリストン・カサスとニック・アレンは注目選手ですね。
アメリカ代表はアクティブ・ロースター(MLB公式試合に出場できる26人枠)の参加はなく、オリンピックに対してあまり力を入れていないのは確かですが、期待の若手やメジャーで実績を残したベテラン(ヤンキースのロバートソンとか)など、よく見ると良い選手が揃っています。
そして、日本代表の先発は田中マーさん。今回のメンバーで唯一オリンピックを知っている選手です。
ヤンキースから楽天に移籍して1年目の今季は4勝5敗防御率2.86。
大エース田中将大としては微妙な成績ではありますが、各種指標を見るとやっぱり安定感は抜群。
国際大会の経験も豊富で長年メジャー、しかもプレッシャー激高のヤンキースで活躍してきた実績はアメリカ代表の選手たちにも負けていません。
この試合はストレートのキレもそれなりに良く、スライダーやスプリットも素晴らしかったけど、時折高く浮くボールがあり、そこをうまく捉えられた感がありました。
結果的には4回途中3失点という内容で降板することになりましたが、初回から三者連続三振をとるなど、試合をスムーズに進めてくれたと思います。お疲れ様でした。
一方アメリカ代表の先発はシェーン・バズ。
バズはトッププロスペクト(2021年プロスペクトランキング5位)の期待の若手で、160キロ近いストレートとキレ味鋭いカットボールが武器。前評判が非常に高く打ち崩すのは難しいという印象でした。
しかし、この試合のバズは本調子からは程遠かったのかストレートは凄いものの変化球の曲がりは早く制球もイマイチでしたね。
しかし日本代表は2イニング連続ノーアウト1、2塁という大チャンスをつくりだすも、初回は正尚さんのゲッツー→鈴木のサードゴロ、2回は菊池のバスター失敗&ショートゲッツ→村上のセカンドゴロで1点も取れず…。
このときは「稲葉ジャパンは相変わらず野球が下手だなぁ」という気持ちでストレスフルでした(笑)
しかし3回裏、ツーアウトから坂本のツーベース→正尚さんのタイムリーで1点先制!
坂本はやはり神だった。
そして正尚さんの初回のゲッツーは許します。
さらに鈴木・浅村の連続四球からギータがシフト破りのショート内野安打で1点追加し2-0に。
ケガが心配だったギータは2回にもバズの速いボールをしっかり捉えてセンター前に運んでたし、絶好調とはいえないまでも普通に戦えるくらいには戻ってきてそうですね。よかったよかった。
3回終わって2-0で日本リード。
日本の優秀な投手陣ならこのまま最後までいけるかもと期待していましたが、4回表に守備の乱れなどもあってマーさんが3点を奪われ、まさかの逆転…。
しかしその裏、村上の四球からチャンスが広がり、坂本のこの試合3本目となるヒットで同点に!
もう少しでスタンドインという凄い当たりでしたね。この一打でジャイアンツファン&坂本ファンが1000人は増えた。
打った後に二塁まで鬼の形相で走りガッツポーズを見せるなど、絶対勝つという気持ちを前面に出す坂本キャプテンはめちゃくちゃかっこよかった。
第4、5打席では快音が聞かれることはなかったけど、先制点に絡み相手の逆転で嫌なムードになりかけたのを食い止める同点打はこの試合の勝利のフラグのひとつだったと思います。
坂本の同点打で試合は仕切り直し。
ここからまた1点1点着実に思った矢先の5回でしたが、3番手として登板した青柳さんが炎上…。
カサスのスリーランを含む計5本のヒットを浴びて3失点。
カサスは体格にも恵まれてるし打席でも落ち着いてて良い打者ですね。バットに語りかける変なとこも含めて人気選手になりそう。
青柳さんはカサスのスリーラン後も5、7番にヒットを打たれグロッキー状態でしたが、菊池のファインプレーゲッツーでなんとか3失点でマウンドを降りました。
個人的にはこの回の菊池のファインプレーがこの試合に勝てた大きな要因だったと思います。
菊池だからこそ簡単に見えるけどとんでもなく高度なプレーですよね。
今季のセカンドUZRを見ると菊池は1.8で阿部・山田に次ぐリーグ3位。しかし、併殺貢献を表すDPRや失策抑止による貢献を表すErrRの数値は相変わらず優秀です。守備範囲(RngR)は-1.0。
短期決戦は守備力が超重要なので今後も菊池の守備には期待してます!
中盤で3点ビハインドの苦しい状況。もしかしたらテレビを消した人も多かったんじゃないでしょうか。
そんな悪いムードを払拭してくれたのは4番の鈴木誠也でした。
滞空時間の長いきれいなホームラン!
ランナーがいなかったので返したのは1点でしたが、味方を鼓舞する大事な大事な一本だったと思います。
一塁ベースを回った後に叫ぶ姿がすごく印象的でした。
今大会なかなか結果が出てなかったけど勝ちたい気持ちはみんな一緒。
人気スポーツである野球のプロ選手たちはお金的にはオリンピックに出る意味なんかほとんどありません。ケガをするリスクもあるし。
それでも日本のために自分のためにみんな頑張ってくれてるので代表選手たちをしっかり応援したいですね。
鈴木のホームランの後、地味にツーベースを打った浅村もナイス。浅村はヒットだけじゃなく粘って四球を選んだりと渋い活躍が光ってました。
続くギータが引っ張って最低限の進塁打を打ち菊池の内野安打で追加点。
これで5-6の1点差。カープ勢の活躍が目立つ5回でした。
6回からは千賀が登板。
今季はケガでほとんど試合に出られておらず、久しぶりに復帰した7月6日のロッテ戦では3回途中10失点の大炎上…。炎上どころか大爆発みたいな感じの内容だった。
こんな状態でまともに投げられるのかと心配してたけどやっぱり千賀は千賀でしたね。
悪い球もあったけどそれ以上に落差のあるフォークとストレートは良かった。
その後に登板したヤマヤスと大野と合わせて4イニングをヒット1本無失点で凌ぐ最高の仕事をしてくれたと思います。
6回以降は両チームの投手が活躍し試合は膠着状態に。
アメリカ代表もゴースのストレートは凄かったしロバートソンの変化球は相変わらずキレキレでした。
そして迎えた最終回。
正尚さんから始まる好打順だったので期待しましたが、正尚さんがセカンドゴロで倒れワンアウト…。
しかし鈴木が粘って四球を選び浅村が続いてワンアウト1、3塁の大チャンスからギータのセカンドゴロの間に同点!
鈴木もよく粘ったし浅村もさすがのバッティング、ギータもよくぞ最低限をこなしてくれました。
ギータ本人はちょっと悔しそうだったけどナイスナイス。
ここから試合は無死1、2塁から攻撃を始めるタイブレークに。
日本代表の7番手としてマウンドに上がったのはカープの守護神・栗林良吏でした。
栗林は1点は当たり前のこの状況でなんと無安打1奪三振無失点というとんでもない投球!
プロ1年目で名立たる選手たちを抑えて日本代表のクローザーを務めるだけでも異常なことですが、このプレッシャーのかかる場面でこれだけの結果を残せる選手がどれだけいるか…。
こんな場面でも初球から自分の球を投げられるメンタルは良い意味でおかしい。
改めて栗林の凄さを知った瞬間でしたね。
個人的には栗林の神投がこの試合1番の貢献だったと思います。
延長10回裏、栗林がつくった絶好のチャンスで打席に立ったのは代打・栗原。
作戦はもちろんバント。
ランナー2、3塁のバントは超絶難しいのに栗原は初見の投手の1球目を確実に一塁方向に転がす完璧なバントを見せてくれました!
バッティングやチャンスでの強さが栗原の武器ではあるのですが、実はこの人バントがめちゃくちゃ上手いんですよね。
今季は1回ミスったけど去年は10-10で決めてるし失敗してるとこをほとんど見たことがない。
稲葉監督も捕手を含め複数ポジションをこなしバッティングも良くてバントもきっちり決められる良い選手を選んだと思います。
ナイスバントでした!
そして最後は同じホークスの甲斐くんが見事なライトオーバーのサヨナラ打を放ち大勝利!
苦しい戦いでしたが、最後の最後まで諦めない気持ちで戦ったのが勝利につながりましたね。
簡単にまとめると、序盤は坂本が引っ張り、中盤から終盤はカープ勢の貢献が目立ち、最後はホークス勢が決めたという感じかな?
稲葉監督の采配には首を傾げるところも多々あったけど、この人采配云々じゃなくて勝ち運が凄いですよね。
もう緻密な作戦とかは期待しないのでその勝ち運で日本代表を一番高いところまで連れていってくれればと思います(笑)
劇的サヨナラ勝ちで準決勝に進出した日本は8月4日19時から韓国代表と激突!
韓国はオリンピックの成績次第では兵役免除があると思うし対日本ということで死に物狂いで勝ちにくると思いますが、日本野球の強さを見せつけて圧倒してくれることを期待しています。
金メダル目指して頑張れ侍ジャパン!
コメント
今シーズン調子の上がらないカープにあって、栗林の登板を楽しみにしているカープファンは多かったと思いますが、昨日のタイブレークに突入するときには『今回は栗林は投げさせないでくれ』と胃が締めつけられる思いで弱気になっていました。
タイブレークは高確率で失点してしまうものだし、カープファンの親心としてはみていられない感じでした。栗林の奥さまはどのような精神状態で応援していたのでしょうか。
栗林くん、オリンピックで燃え尽きないでね。
玉幸さん、コメントありがとうございます。
自チームから投手が出てるとファンも胃が痛くなりますよね(;´∀`)
特に栗林は難しい場面でばかり登板してたのでカープファンの皆さんは気が気じゃなかったと思います!
だけど彼はほんとに素晴らしい活躍ですね!
完璧な抑えっぷりに感動しました(´;ω;`)