日本シリーズ2022の結果は、2敗1分けからの4連勝でオリックスがヤクルトを降して優勝。
昨年に引き続き好ゲームの連続で観ていて楽しい日本シリーズでした。
悪夢の8連敗以降、日本シリーズの舞台に立てていないジャイアンツファンとしては羨ましい限り…。
来年こそはリーグ1位になってCSを勝ち抜き、2012年以来の日本一を勝ち取ってもらいたいです!
ジャイアンツの戦力について
さて、日本一を目指すために必要なのはやっぱり首脳陣の入れ替えと戦力の充実。
今年のドラフトは浅野翔吾選手を筆頭に、将来が楽しみな選手や即戦力選手を数多く獲得できました。
さらに今季は”発掘と育成”というテーマを掲げて臨んだので、現在チームに所属している若手からも大勢や山崎伊織、井上温大、増田陸などが台頭。
中堅~ベテランの主力たちに彼ら若手が加わることで、そこそこバランスの良いチームになりそうな気がします。
ですが、他チームに比べて優れているかと言われると微妙なところ…。
となると必要なのは育成or補強。
原監督は今季を振り返って「若い人たちの力に頼ろうとするとなかなか難しかった」と言っていたので、選手を育成して戦力にするよりもすぐにでも結果が出せる即戦力選手を欲しているでしょう。
今年はだから今までジャイアンツはほとんどお金を使ってないから今年は少し戦力補強という点で少々貯金もあるようなので使ってくれるということです。
FA権を取得した有力選手について
今オフFA権を取得した有力選手のうち、カープの西川と野間や西武の外崎、阪神の西らは残留が濃厚みたいですね。
一方、西武・森、日ハム・近藤、ロッテ・中村らは権利を行使しそう。※追記→森がFA宣言しました。
そのなかで是非来てほしいと思うのはやっぱり近藤かな。
ケガが多いのでフル出場は厳しいけど、「打」に関しては打率3割↑、出塁率4割↑、OPS.879で申し分なし。バットマンとしては現在NPBで3本の指に入ると思います。
守備も今年はレフト約330イニング、センター約300イニングを守ってUZRはともにまずまずのプラス。ライトも一応守れるみたいで去年は約460イニング守って微妙にプラスでした。
来年も活躍してくれるであろう丸やウォーカー、復活が待たれる松原や梶谷、あとは守備での貢献が期待できる重信に岡田、そして新しく入団する浅野や萩尾など、たくさんの選手がいるので補強ポイントとしては微妙だし、多分ジャイアンツも狙っていないだろうけど好きな選手のひとりです。
ジャイアンツが狙っているであろう森もNPBトップクラスの捕手なので戦力アップは間違いないとは思うけど、今いる大城や小林らに頑張ってもらいたい気持ちが大きいですね。
中村はリーダーシップがあって攻守に優れた良い選手ですが、うちには未来のキャプテン候補の尚輝がいるし、このあたりのポジションは期待の若手もたくさんいるので大丈夫かな。
今はジャイアンツ以上にお金を出せるチームもあり、絶対にジャイアンツに入りたいという選手も減ってきているので、どの選手が来てくれるのか、はたまた誰も来てくれないのか、全く予想できません。
今季のジャイアンツの外国人選手について
あとは外国人助っ人。
今季のジャイアンツは野手で3人、投手で6人の外国人選手が一軍の試合に出場しました。
外国人野手の成績
・A・ウォーカー
124試合 打率.271 23本塁打 52打点 5盗塁(失敗0) OPS.821(出塁率.306/長打率.515)
・G・ポランコ
138試合 打率.240 24本塁打 58打点 2盗塁(失敗3) OPS.762(出塁率.306/長打率.457)
・Z・ウィーラー
30試合 打率.196 2本塁打 5打点 0盗塁(失敗1) OPS.636(出塁率.297/長打率.339)
野手ではウォーカーがOPS8割超えで23本、ポランコが約7割6分で24本と主力級の活躍。
特にウォーカーはwRC+(打撃指標)130超え。チーム内では丸、坂本に次ぐ第3位なのでかなり優秀といえるでしょう。
独立リーグから約30万ドルで獲得できたことを考えれば超掘り出し物だったと思います。
課題はウォーカー・ポランコ両選手ともに守備。
300イニング以上守備につくことを条件とすると、ウォーカーのUZR(守備の指標)はレフト部門で12球団中ワースト2位、ポランコはライト部門で12球団中ワーストでした…。
ポランコの守備はあまり伸びしろがないと思うけど、ウォーカーに関しては送球さえ改善できれば足はあるし球際も強いのでまともに守れそうな気も。
秋季キャンプでも送球を精力的に練習しているみたいなのできっと良くなるでしょう。
総合指標のWARを見ると、ウォーカーは守備面でかなりマイナスされているのにまずまずの数字を記録しているので来季が楽しみです。
ポランコも勝利貢献度を表すWPAは丸、坂本に次ぐ3位で、重要な場面での働きを表すClutchは坂本に次ぐ2位と勝負強さは見せてくれました。
試合や練習を見ている限りでは人間性も素晴らしいと思いますが、外野には人が多いのと年俸が高額なので、それを球団がどう判断するかでしょうね。これはウィーラーも同じかな。
外国人投手の成績
・C・C・メルセデス
20登板(110.1回) 5勝7敗
防御率3.18 被打率.260 奪三振率6.04 K/BB2.39 WHIP1.25
・M・シューメーカー
18登板(95.1回) 4勝8敗
防御率4.25 被打率.257 奪三振率6.14 K/BB2.17 WHIP1.28
・M・アンドリース
5登板(18.2回) 0勝2敗
防御率4.82 被打率.350 奪三振率8.68 K/BB4.50 WHIP1.71
・I・クロール
21登板(21回) 1勝1敗5H1S
防御率3.86 被打率.221 奪三振率6.43 K/BB1.50 WHIP1.29
・R・デラロサ
30登板(27.1回) 0勝0敗11H1S
防御率2.30 被打率.196 奪三振率7.90 K/BB2.40 WHIP1.02
・T・ビエイラ
9登板(7.1回) 0勝2敗
防御率9.82 被打率.300 奪三振率9.82 K/BB1.00 WHIP2.32
外国人投手は今季獲得したシューメーカーやアンドリースといった先発の働きがイマイチでした。
メルセデスも5勝7敗で借金2、防御率も3点台と期待されていたような活躍はできませんでしたが、WARを見ると12球団全ての外国人の中で堂々の1位。
ただ、細かく見ていくと5月まではエース級の働きだったのにそこからだんだんと悪くなっていったので印象はあまり良くないんですよね…。
まぁ、去年まではあまり見せなかった不満そうな表情を何度も浮かべる場面を見たので起用方法などについてもあまり納得していなかったのかも。
2018年から一軍で投げるようになって毎年しっかりWARを稼いでくれている、個人的にはもっと高く評価されても良い選手だと思います。
あとはデラロサが意外と数字が良かったことに驚きました。
ケガに気をつけてコンディションを整えることができればまだまだやれそう。
クロールはなんともいえない成績。
タフなところを見せてくれたしカットやチェンジアップは間違いなく通用していたと思うので配球次第でもっと成績は良くなりそうではあります。
今後の外国人選手獲得について
さて、このなかでどの選手を残すかですが、ウォーカー、メルセデス、デラロサには残ってもらって後はリリースと考える人が多いかもしれません。
ただ、去年までならともかく今後はメジャーやマイナーから良い選手を獲るのは難しくなりそうなんですよね…。
ベンチ入り選手が25人→26人に変わったこと、最低保障年俸が2021年の57万ドルから大幅に上がること、そして現在の超円安あたりがその理由です。
アメリカでプレーしている野球選手の多くは当然ながらMLBという最高峰の舞台で結果を残し高額の年俸をもらうのが夢。
けれど、そんなのは一握りで多くの選手は日本よりも安い年俸と厳しい環境の中でプレーしていました。
なので、環境がそれなりに良く年俸も悪くないNPBから誘いが来た時、MLBでプレーするという夢と天秤にかけて仕方なく日本を選ぶ選手もいたのですが、今後はお金という部分で大きな差をつけられなくなります。
最低保障年俸は今年が70万ドルで2023年は72万ドル、2024年は74万ドルと逓増し、2026年には78万ドルまで上がる予定です。
→最低年俸の上昇はNPBにも影響? 新労使協定合意、ロックアウト終了でどうなる
そして超円安。
今年の1月あたりは1ドル約115円だったのに、今は約148円まで円安ドル高が進んでいます。
例えばウォーカーは今季推定30万ドルで契約したみたいですが、1月の時点なら3450万円だったのに今は4440万円!なんと1000万円も違います。
2023年度の最低保障年俸を払おうと思ったら約1億円必要ですからね。高すぎる。
昨日のFOMCの発表で少しは円高になってくれないかなと期待しましたが、若干タカ派寄りだったのでまだしばらくは円安が続きそう。
→FRBが0.75%利上げ、12月の利上げ幅縮小示唆 累積効果を考慮
ジャイアンツに限らず日本の球団がアメリカのそれなりの選手を獲るには今まで以上にお金を払わないといけない時代になってきたということです。
それらを踏まえると、もう積極的に外国人選手を獲らなくてもいいのかなという気持ちも芽生えてきます。
実際、外国人選手の成績を見てもマイコラスやメッセンジャー、ジョンソンあたりの優秀な外国人がいた時代に比べるとここ数年は結果を残す選手が少なくなってきました。
今後は無理をして高いお金で外国人ガチャを回すよりも、ティマやデラクルーズのように青田買いをしたりウォーカーのような尖った選手を見つける方がいいかもしれません。
個人的に手を出してみて欲しいなと思うのはMLBではパワー面で全く通用していない選手。
日本とアメリカでは球場の広さが全く違うので、アメリカの球場ではただの外野フライでも東京ドームではホームランということが多々あると思います。
→メジャーリーグの本拠地球場と日本のプロ野球の本拠地球場の広さや観客収容人数などをまとめてみた!
ホームランと外野フライでは打撃指標も全く違ってくるので、アメリカでは長打率↓日本では長打率↑ということも。
アメリカの中距離バッターを狙う球団は多いけど、あえて向こうでは評価の低い短距離打者を狙ってみるのも面白いんじゃないかと思う今日のこの頃です。
以上、ジャイアンツの外国人選手についてのあれこれでした。
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