先日東京に行った際、少し時間があったので東京ドームに隣接する野球殿堂博物館に寄りました。
博物館には往年の名選手のユニフォームや記念ボール、最近ではプレミア12で代表選手たちが使っていた野球用品や優勝のメダルなどが飾ってありました。
そのなかには我らがキャプテン坂本勇人が5月1日に打った「令和第1号ホームラン」の記念バットなども!
坂本以外にも、菅野や山口、岡本、亀井さん、丸ら、ジャイアンツ選手たちの野球用品がいっぱい展示してありました。
たくさんの野球用品を見ていたら無性に興味が沸いてきたので、ジャイアンツの選手たちがどんな野球用品を使っているのかを調べてみることにしました。
調査第1号はもちろんキャプテン坂本勇人です。
坂本勇人愛用の野球用品
愛用のバットはSSK製
道具には並々ならぬこだわりを持つ坂本。特に年齢を重ねてからは細かい道具にも妥協しなくなったイメージがあります。
バットは入団2年目(1年目からという話も)の途中に高橋由伸前監督が使っていた「SSK」のもの(Cタイプ?)を振って気に入って以来、カラーリングや重さは変えても基本的な型はずっと同じ。
ただし、2013年か2014年に由伸前監督がグリップを細くしたときは、坂本も同じタイミングで細くしたそうです。
由伸前監督曰く「このバットはちょっと短く持つと使いやすい」とのこと。
ちなみに、由伸前監督は江藤智さんのバットをグリップ部分だけ自分好みにカスタマイズしたみたいですね。
バットの仕様とバットへの思い
坂本はこのバットでプレーするようになってからも、他のバットを試すことはありましたが、このバットに勝るものはないと感じたようです。
ブランドは【proedge(プロエッジ)】、長さは34インチ、重さは900グラム(夏場は883~890gまで軽くすることも)、素材はメイプルという仕様です。
使い続ける理由は慣れているから?バランスがいいから?と明確な理由はなさそうですが、「このバットでしか振れない」「引退まで多分もう変えることはない」という言葉から強い愛着が伝わってきます。
同じ1988年世代の柳田悠岐は、大学時代にスポーツ用品店「XEBIO」で買った市販のバットを、素材だけイエローバーチに変更して今でも使っていることで有名です(ギータ曰く「誰でも使えるバット」)。選手によってバットの選び方はいろいろですね。
SSK岩元さんが語る坂本エピソード
SSKで坂本を担当している岩元正さんは、このバットについて「グリップが細く扱いが難しいタイプ」と語っています。
坂本がこのバットを使い始めた頃はよくバットを折ったようで、1週間の遠征用に10本渡しても帰って来る頃には半分くらいになっていたとか(もったいない…)。
しかし、最近はほとんど折らなくなり、1年間でも数本になったらしいです。
坂本は汚れを自分できれいに落とすなど、道具を大事に扱っています。入団してすぐの頃に、凡打の後にバットを床に叩きつけたときには、試合後に謝罪に来たというエピソードもあります。
坂本のバットはフルオーダーなので市販されていませんが、カラーリングなどを似せた「坂本勇人モデル」は、軟式用と硬式用の両方が販売されています。
愛用のグラブはミズノ製
坂本が使っているグラブ(グローブ)は、皆さんご存じの通りゴールデングラブ賞7回受賞の守備の名手・井端弘和さんから強奪?した「ミズノ」のもの。
グラブについて悩んでいると坂本に打ち明けられた井端さんが、自分のものを試しに使わせてみると、すっかり気に入ってしまい結局返さずに今でも使い続けているようです(笑)
道具を大切に使う姿勢と冷凍庫エピソード
2014年から試合用として使い続けているのでボロボロですが(カラーも昔はオレンジっぽい色だったのに今は茶色っぽい)、紐を替えたり、破れた箇所はミシンで縫ったりと大事に使い、今でも名手・坂本を支えています。
今日は読売ジャイアンツの #坂本勇人 選手の試合用グラブについてご紹介です♪
ご存知でしたか!?
坂本選手は2014年からこのグラブを試合用として、4シーズン使い続けているんです!
捕殺は合計で1743回。数々のスーパープレーを生み出した相棒です!!日頃のケアや修理の賜物ですね♪(巨人担当) pic.twitter.com/qJS9BBWWNZ
— ミズノベースボール (@MIZUNOPRO_JP) February 7, 2018
井端さんに「二遊間のゴロの処理は超一級品で日本一」と褒められるほどの坂本の守備力は、道具を大切に使う姿勢によって身に付いたものなのかもしれませんね。
ちなみにテレビで紹介されたことで知られるようになった、「簡易冷凍庫」を球場に持ち込んでイニング間にグラブを冷やしているというエピソードは、オイルを入れて革が柔らかくなりすぎるのを防ぐためとのこと。
はじまりは2014年の夏の京セラドーム。夏のグラブの「へたり」が気になった坂本が、試しに冷蔵庫で冷やしたところ良い感じだったようで、そこからよりカチッと冷やせる冷凍庫へ移行したんだそう。
最近は早く新しいものを、と考えてはいるようですが「なかなか見つからない」とインタビューで答えていました。
2020シーズンはキャメルカラーのグラブでスタート。これまで練習用として使っていたサブのひとつでしょうか。
役目を終えた「井端グラブ」
2019シーズンまで使っていた「井端グラブ」は、残念ながら当該シーズン限りで役目を終えたようです(6年間愛用)。
2020シーズンに使っているグラブはミズノ社から提供された中から厳選したものだそう。製作はグラブマイスター・岸本耕作さんで型は井端モデル。
ただ、開幕前に井端さんから以前のものと同じく「巧」の刺繍が入った新しいグラブが届けられたそうなので、慣らしが済めば試合でも使用されるかもしれませんね。
坂本が使っているのはミズノの最上級ブランド「ミズノプロ」のグラブですが、「坂本モデル」として同じミズノの「グローバルエリート」ブランドからも軟式や硬式のグラブが販売されています。
良いものを大事にという人はミズノプロのオーダーを受け付けているお店で坂本モデルで注文するのもいいかもしれませんね。
野球用品店の方によればミズノプロとその他のブランドとの違いは「使用している素材の差」とのこと。ミズノプロの方が良い素材を使っている分だけお高いということなのでしょう。
愛用のスパイク・シューズはアディダス製
スパイクは昔から「アディダス」のものを使っていますが、市販モデルをそのままというわけではなくカラーや素材など細かい部分を専用仕様にした特注品を着用しています(例年オフにデザインや機能性をモデルチェンジ)。やや長めのミドルカットタイプに見えますね。
現在のベースはスパイクとソックスが一体型のブーティー構造になっている「ADIZERO(アディゼロ)」シリーズをカスタムしたものでしょうか?このシリーズは足袋のような高いフィット感を実現し足ブレを防げるらしいです。
スパイクに求めるのは「軽さ」と「安定感」
坂本はインタビューで、内野手には横の動きなど細かい動きが多いので、スパイクの軽さと踏ん張ったときに足がブレないことがとても重要と語っていました。
スパイクに求めるのは「軽さ」と「安定感」とのこと。
また、坂本は球場のコンディションによってスパイクを使い分けています。
ホームの東京ドームなどで使うメインのスパイクと、黒土の甲子園用のスパイク、そして芝が滑りやすいナゴドや札幌ドーム用のスパイクとがあります。
片岡治大コーチが現役の頃もグラウンドのコンディションに合わせて3種類のアディダススパイクを用意していましたが、坂本も同じように繊細なタイプなのでしょう。
愛用のバッティンググローブはアディダス製
坂本はバッティンググローブにも「アディダス」のものを使っています。
毎年新しいモデルに変えていますが、基本のカラーはホワイトとスカーレットの組み合わせです。このカラーを好んでいるようですね。
野球用品はミズノが強いのでバッティンググローブもミズノの製品を使っている選手が多いですが、アディダスのバッティンググローブも負けず劣らず良いみたいです。
特にフィット感に関しては高く評価されていて、ゴルフの革手袋のようだと言われています。
多くのトップ選手がアディダスのバッティンググローブを着用
坂本以外にも、ヤクルトの山田や中日の高橋周平など、多くの選手がアディダスのバッティンググローブを愛用しています。
2000本安打達成の坂本やミスター・トリプルスリーの山田は、こだわりを持って道具を選ぶタイプなので、間違いなく良いアイテムだと言えるでしょう。
アディダスのバッティンググローブや走塁用手袋は、毎年新モデルが発売されます。
坂本が使うカラーは人気が高く、すぐに売り切れてしまうことがあるので、使ってみたいなと思っている人は早めに手に入れることをおすすめします。
【#ヤクルト ー #巨人@#神宮】
試合前練習中の #巨人 #坂本勇人 (撮影・河野匠) #キャプテン の渋い表情もまた、絵になりますね❗️#giants#無観客 #プロ野球 pic.twitter.com/DgqidqVv2m— 日刊スポーツ 巨人担当 (@nikkan_giants) June 27, 2020
愛用の守備用手袋はミズノ製
守備用手袋はグラブと同じ「ミズノ」の「ミズノプロ」を着用しています。
人差し指の部分についた「ランバードマーク」が目印ですね。ちなみに「グローバルエリート」の守備手袋は人差し指に「GlobalElite」の文字が入っています。
ただし、カラーリングや細かい部分などは坂本専用仕様になっているので、市販品では全く同じものは販売されていません。
グラブとの隙間をなくすために守備用手袋を着用
坂本が守備用手袋を着用する理由は、「グラブとの隙間をなくす意識がある」とのこと。
ミズノの担当者は、坂本は守備用手袋にも滑り止めをつけ、グラブを外すのも難しいくらい隙間をなくして、グラブを自分の手のように使っていると言っていました。
市販品の中では、「ミズノプロ」の赤白カラーが坂本のものに一番近いです。ただし、人差し指部分などの配色は微妙に違います。
白と黒の高校野球対応バージョンもあり、球児にも人気のモデルです。
愛用の走塁用手袋はアディダス製
スライディング時や選手との接触時に手を保護し、ケガを防止する走塁用手袋(スライディンググローブ)はバッティンググローブと同じく「アディダス」のものを着用しています。
坂本は毎年新しいモデルの走塁用手袋を着用していますが、時々、市販品とはカラーが違う専用モデルを着用していることもあります。もしかしたらプロトタイプの可能性も。
PRO社のスライディング・グローブも着用
2021年5月9日のヤクルト戦で帰塁の際に右手母指末節骨を骨折したときは、ケガ防止のために「PRO社」のスライディング・グローブを着用していました。
主にランナーが詰まっていない状況で着用していました。
5本の指全てをしっかりガードするタイプなので安心ですね。
愛用のリストバンドはアディダス製
白地にゴールドのロゴが入ったロングタイプのリストバンドも「アディダス」のもの。
バッティンググローブと走塁用手袋、そしてリストバンドは仲良しの山田と同じ組み合わせ(色違い)です。
バッティンググローブや守備用手袋同様、坂本と同じカラーのホワイト×ゴールドはすぐに品薄になるので、新モデルが発売されたときに確保しておいたほうがよさそうですね。
愛用のエルボーガードはSSK製
エルボーガードはバットと同じ「SSK」のものを着用。
カラーはホワイトとレッド系ですが、市販品でこのカラーは販売されておらず、野球用品店さんが独自で受け付けているカラーオーダーなどを利用する必要があるようです。
市販品はホワイトやブラック、ネイビーといった地味なカラーなので高校野球にも対応していて球児にも人気があります。
愛用のトレーニングシューズはアディダス製
室内トレーニング時などに使うトレーニングシューズはスパイクと同じ「アディダス」のもの。
#坂本勇人 、23年開催予定WBC出場へ意欲「必要とされるのであれば、断る理由はないです」 https://t.co/DRoHuu9eEz #巨人 #ジャイアンツ #読売ジャイアンツ pic.twitter.com/EBib7utvwj
— スポーツ報知 巨人取材班 (@hochi_giants) January 12, 2022
↑2022年の自主トレ時に着用しているのは「アディゼロ ジャパン」っぽく見えますね。カラーはレッド系かな?
軽さとフィット感、さまざまなコンディション下での高いグリップ力が特徴のシューズです。
「アディゼロ ジャパン」は定期的にモデルチェンジされていて、2022年1月現在の最新モデルは「アディゼロ ジャパン6」。
まとめ
以上が坂本愛用の野球用品の数々です。
- バット…SSK【proedge(プロエッジ)坂本専用カスタマイズ】
- グラブ…mizuno【ミズノプロ(井端モデル)】
- スパイク:adidas【坂本専用カスタマイズ】
- バッティンググローブ:adidas【5T バッティンググローブ】
- 守備用手袋:mizuno【ミズノプロ坂本専用カスタマイズ】
- 走塁用手袋:adidas【5T スライディンググローブ】
- リストバンド…adidas【5T アセットリストバンド】
- エルボーガード…SSK【打者用エルボーガード】
- トレーニングシューズ…adidas【アディゼロ ジャパン】
その他、スポーツネックレスはAXFのものを愛用しています。
1メーカーだけに全ての用具を任せている選手も多いなか、坂本はグローブはミズノでバットはSSKでスパイクはアディダスなど、メーカーを問わず気に入ったアイテムを使用しています。
デビューからしばらくの間は違うメーカーのものを使っていたこともあったので、試行錯誤を重ねて今の状態に至ったのでしょう。
ジャイアンツの若手選手たちはプレー面だけでなく、坂本の道具に対するこだわりなんかも学んでもらいたいものです。
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