西舘勇陽、オーバースローに大胆フォーム改造!初シート打撃で見せた進化

ジャイアンツ2025春季キャンプの初シート打撃(ライブBP)で赤星、横川、堀田、京本、西舘の5人が登板しました。

いずれも昨年は一軍で十分な結果を残せなかった投手たちですが、一際印象的だったのが西舘勇陽の投球でした。

大胆なフォーム改造に着手

西舘は昨秋から取り組んできたフォーム改造がしっかりと形になってきているようですね。

特徴的だったスーパークイック投法のスリークォーターから一転、軸足にしっかりと体重を乗せ、テイクバック時の左手の位置を高くしたオーバースロー気味の投球へと変更。

西舘勇陽とL字フォーム|2024年巨人春季キャンプ雑感
2023巨人ドラ1ルーキー西舘勇陽投手のフォームやスーパークイック投法について紹介します。西舘投手の特徴的な下半身の使い方は元プロ野球選手の五十嵐亮太さんも「L字フォーム」と呼び推奨しています。
ジャイアンツ西舘2024フォーム片足で立つ部分

2024年

ジャイアンツ西舘2025フォーム片足で立つ部分

2025年

リリース位置も高くなり、叩きつけるようなイメージの投球になっていました。

ジャイアンツ西舘フォーム

体重移動も以前の並進運動頼みから位置エネルギーを効率的に使う形へと進化しているように見えました。

この時期にしては驚くほどボールに力があり、とりわけストレートとスライダーに関してはシーズン中でも十分通用しそうな質の高さでした。

ジャイアンツ西舘スライダー

ど真ん中のスライダーに仰け反るオコエ

可能性と課題が同居した2024年シーズン

昨年の西舘は一軍で30.2イニングを投げて1勝3敗、防御率3.82という成績でした。

二軍では10試合38.2イニングを投げ、防御率1.40、奪三振率12.57と無双の投球を見せています。

収穫も課題もある1年だったと思いますが、私が感じた彼の課題は以下の4点。

①球質は良いのになぜか打たれたり見逃される
②抜けるボールが結構あり、ストレートがシュート回転することも多かった
③左打者への決め球不足
④制球力がイマイチ

①②に関しては彼特有のアウトステップが影響しているのかなと思います。

阪神の西くんほどではありませんが、ステップ足が一塁側に流れる開き気味のフォームなんですよね。西くんはこれを活かして切れ味鋭いシュートを投げ込んでいます。

西舘の場合はカットやスライダーのキレには良い影響を与えつつも、スーパークイック投法での投げ急ぎやリリースの不安定さも相まって、ボールが抜けたりストレートが意図せずシュート回転してしまうケースが多々ありました。

また、スリークォーターでのアウトステップは打者からボールの出どころが見えやすく、これが質の良い球でも打たれたり見逃される原因になっていた可能性もあります。

その意味で今回のオーバースローへの変更は理にかなった選択と言えそうです。

左打者攻略のカギを握るフォーク

③の左打者対策としては、彼の持ち球であるフォークの進化が重要なカギを握ります。

アウトコース低めにフォークを投げ切れれば十分な武器になるはず。フォークに関してもオーバースローへの変更で、より効果的なボールになることが期待できます。

去年は叩きつけたり浮いたりと安定感に欠けましたが、今年中になにかを掴めれば来年には先発候補上位に入ってくる可能性も十分にあると私は予想しています。

④の制球力についても、軸足にしっかり体重を乗せるこの新フォームで投げ込んでいけば精度も上がってくるだろうし抜け球も減ると思うので改善するのではないかと思います。

さいごに

去年もボール自体は悪くなかったと思うのですが、優秀なジャイアンツ投手陣の中で主力として戦うためには現状を大きく変えなければいけないと感じたのかもしれません。

プロ2年目での大胆なフォーム改造には不安や迷いもあったはずですが、今回の西舘の選択は課題を克服しつつ良い部分は残す理にかなったものだと思います。

ストレートとスライダーに関してはこの時期とは思えないほどの切れ味を見せていて一軍でもトップクラスの出来でした。ここに課題のフォークの精度が上がってくれば、さらに強力な武器になるはずです。

ただ、フォーム改造はまだ始まったばかり。今は再現性を高めることに専念してほしいですね。

このフォーム改造をきっかけに近い将来主力として大活躍してくれることを期待したいと思います。

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