リーグ首位を独走中のヤクルトとの3連戦初戦は6-16で大敗…。
Yahoo!ニュースのトップでも13年ぶりの16失点、歴史的惨敗で11ゲーム差、あす25日にも自力優勝の可能性消滅、と取り上げられていました。
相手はホークスの王会長に「久しぶりにやりがいを感じた」とまで言わしめた最強ヤクルトなので勝てる可能性はかなり少ないと予想はしていましたが、まさか10点差をつけられるとは…。
→王会長「団結してヤクルト倒そう」7分半大熱弁|西日本スポーツ
これまでも何度か書きましたが、これが新しい野球(ヤクルト)と古い野球(ジャイアンツ)の違いなんだと思います。
勝敗は先発の菅野が3回で7失点した時点で決しました。
上位打線がランナーを貯める→6番中村悠平ホームラン×2だけで5失点…。効率良すぎ!
中村は22日の中日戦でも5打点をあげているので2試合で10打点の大暴れ。
ヤクルトの投手陣がボロボロだった何年か前までは中村が穴だなと思ったこともありましたが、今は確実にセ・リーグNo.1捕手ですね。
元々選球眼が良くて打率の割には出塁率が高いタイプだったけど今は打率も3割超え。守備に関してもUZR2.0はセ・リーグ1位です。
個人的には高卒2年目の内山壮真と併用できているのが中村の好成績につながってるんじゃないかと思います。
内山は一軍でも十分通用する優秀な選球眼を持っているので打撃に関してはそれなりにやるとは思っていましたが、捕手としても十分すぎるくらい通用してて驚いています。(UZR1.5はリーグ3位)
春季キャンプでの古田さんの指導が効いたのかもしれませんね。
→古田臨時コーチ「のびしろがある」高卒2年目・内山壮を強化指定「教え甲斐がありますよ」【ヤクルト】|中日スポーツ
中村は好不調の波が激しい方だし、ケガも割と多いタイプなので内山との併用はかなり効果的なのかなと。
あとは楽天から獲得した嶋の影響も大きいかも。
嶋がヤクルトに加入したのが2020年。
ヤクルトのチーム防御率は2019年が4.78、2020年が4.61、2021年が3.48、そして今年2022年は現時点で2.71と年々良化しています。
長年楽天で扇の要として活躍した嶋が移籍してきたことで中村に刺激を与えることができただろうし、チームに多くの有益な情報をもたらしたのは間違いありません。
→ヤクルトに加入の嶋基宏 中村悠平との終わらない“切磋琢磨”|文春オンライン
良い捕手がいるチームは強いとよく言うけど、ヤクルトには打てて守れる捕手が二人もいますからね。(しかも一人は十代)
そりゃ強いわ…。
菅野は前回よりもストレートに力があったように見えたけど、甘く入った球をことごとく捉えられたという感じでした。
前回よりはマシというだけでストレートの球速は140キロ後半くらいまで。
ヤクルト打線はあまり速さを感じないストレートなら変化球への意識を強めに持っていても十分対応できる、という攻め方だった気がします。
今年の菅野はとにかく空振りが取れません。
赤星も同じだけど、決め球になるボールがないからカウントは稼げても最後のところでなかなか打ち取れないんですよね。
空振りが取れないのはストレートの平均球速がピークだった2020年に比べると2キロ以上落ちているのが大きな要因だと思いますが、変化球のキレも全盛期に比べると…。
先発投手は30歳を少し過ぎたくらいから能力が大きく低下すると言われています。
菅野は現在32歳なのでパフォーマンスが落ちるのも仕方ないのかもしれません…。
先発は20代前半から30歳前後までピークに近いWARを維持しており、30歳を少し過ぎた年齢からWARが大きく低下する。明確なピークの山は見当たらない。先発は若くからパフォーマンスを発揮しやすく、30歳までは安定しやすいようだ。
そういえば、元オリックスで今は日ハムの金子千尋も30歳くらいからガクッと成績が落ちましたね。
金子は魔球と言われたチェンジアップを筆頭に七色の変化球を操り沢村賞も受賞した素晴らしい投手でしたが、ケガや加齢の影響からか全盛期にはMAX150キロ中盤くらい出ていたストレートの球速・球威が落ち、そこから打たれ始めた記憶があります。
ボールの球威が落ちても打者との駆け引きに長けていたり、しっかり狙ったところに投げられるコントロールがあれば長く活躍できるんだろうけど…。
ヤクルトの石川とかを見ているともはや職人の領域ですよね。なかなか真似できない。
今後も長く先発投手として活躍できる、菅野なりの投球をなんとか見つけて欲しいと思います。
菅野の後は桜井が4失点、戸田が3失点、鍵谷が1失点とリリーフ陣も大炎上。
桜井は大事なところで真ん中にボールが吸い寄せられる悪いクセが出て村上に特大のホームランを献上し、戸田も滅多打ち状態でした…。
桜井はまぁしょうがないとして、戸田も鍵谷も以前と比べて球が弱々しくなっちゃいましたね。
多少コースを狙えたところであのくらいの球威ならヤクルト打線にとっては打ちごろのボールなんでしょう。
そういえば先日、ジャイアンツ嫌いの日刊ゲンダイが今季のジャイアンツの投壊についての記事をあげていました。
→「投壊巨人」桑田流メソッドは悪化の一途…総失点・与四球とも12球団ワーストの泥沼|日刊ゲンダイ
22日の時点で失点288、与四球221、与死球33は12球団ワーストで、桑田効果で制球力が上がるどころか悪化しているとのこと。
この制球力の悪化について、カープで投手コーチなどを務めた川端順さんはキャンプでの投げ込みが不足していた可能性があると推測しています。
投手チーフコーチである桑田さんが「速いボールや凄い変化球よりもコントロール」という考え方なので、選手たちも期待に応えられるよう「ライン出し」を始めとする制球力を上げる為の練習に励み、試合でもコントロールを意識した投球を心掛けていますが…
悔しいけどゲンダイの言う通り今のところ結果は出ていません。
投げ込み不足とかもあるのかもしれないけど、私は四隅の際どいところを狙いすぎているのも四球が増えている原因のひとつだと思います。
それとコントロールを重視しすぎて強い球が投げられていないのも一因かもしれません。
せっかくストライク先行で追い込んでも仕留めきれず粘られて四球という場面を飽きるほど見ました。
そういうのを見ると、コントロールも大事だけどやっぱり強い球を投げるのは同じくらい大事だと思ってしまいます。
何か月か前にDAZN(野球トレンド研究所)でオリックスの山本由伸の特集が配信されていたのですが、マウンドで意識していることを聞かれた時「強い球を投げること」と答えていたのが印象に残っています。
「コントロールも大事だけど、腕を振ることも大事。強い球を投げるのが、僕の中では一番。隅を狙っているわけではなくて、もっとアバウトに、たとえば外角とか。もちろん、2ストライクに追い込んだら、隅の方にボール気味に狙ったりするんですけど。一番は強い球を投げる」
投手5冠・山本由伸の意外なこだわり「優しい気持ちで投げることが大事」| オリックス・バファローズ | 野球トレンド研究所
多少甘く入っても、球種をある程度読まれていても、腕をしっかり振って強い球を投げれば力やキレで打ち取れるという考えなんでしょうね。
これは私も同感です。
杉内コーチも鍛えれば速い真っすぐは投げさせることができるけどコントロールだけは天性のものがある、と言っていました。
皆が皆現役を退いてから10年以上経っても10球に8球は狙ったところに投げられると言い切る桑田さんのような天賦の才を持ってはいません。
それに桑田さんはコントロールも良かったけど、昔の映像を見たら浮き上がるような質の良いストレートやブレーキの効いた凄い変化球を投げてましたし。
桑田さんはチーフコーチに就任後「病院で言うと”診療”が今年で来年が”治療”」と言っていましたが、患者も千差万別なので「コントロールが全て」ではなくそれぞれにあった処方箋を出してほしいなと思う今日この頃です。
とはいえ、桑田さん曰くライン出しの効果が出る(四隅に狙って投げられるようになる)のは2、3年後らしいので桑田流メソッドが失敗と言い切るには時期尚早。
2、3年も待ってもらえる選手が今のジャイアンツにどれくらいいるのかは分からないけど、強いボールを狙ったところに投げられる選手が一人でも増えるといいですね。
最初は普通に試合感想を書こうと思っていましたが、最近の試合はあまりにも失点が多くて野球になっていないので少し脱線してしまいました。
選手起用や打順など、納得ができない部分も多々ありますが、それなりに点は取れてます。
あとはどう失点を抑えるのかが大事。
次戦はシューメーカーとサイスニードが登板予定です。
ヤクルト打線は狙い球を絞って強く振ってくるはずなので、どれだけ相手の裏をかけるか、インコースの際どいところを攻められるかに注目したいと思います。
3戦目は中4で戸郷という不穏なニュースが届いているのが気がかりですね…。
コメント
minamiさん、こんちは(^^)/
色々な意見がありますが、私が投手においてもっとも才能を感じるのはコントロールです。
カープはレジェンドになった黒田博樹の幻影を追いかけてなのか、ドラフト戦略においてパワーピッチャーに固執していた期間がありました。
当時、コントロールは後からどうとでもなるが、時速150㎞を超える剛速球は天性のものだからということをよく耳にしました。
しかし現実は160㎞/hの剛速球を投げることが出来てもストライクが入らないと1軍では通用しないということでした。
2016年のドラ1、矢崎(加藤)拓也は初登板にしてノーヒットノーラン未遂の鮮烈なデビューを果たしましたが、結局コントロールに苦しみ1軍では通用しませんでした。
そんな彼が今シーズンは戦力と呼べるほどに復活しました。コントロールが良いとは言えませんが強い球をなげられている印象です。
実に5年を要しました。
全盛期の菅野がピッチャーの理想型ではありますが、それこそ10年に1人の逸材なのでしょう。
玉幸さん、コメントありがとうございます。
5年ですか~。
普通はなかなか5年待ってもらえませんから本当に期待の大きい選手だったんですね。
やっぱりコントロールというのは身に着けるのが難しいものなんでしょうね。
うちも球威で勝負するタイプの投手はみんな苦労しているみたいです。