2021年8月7日、野球日本代表『侍ジャパン』は東京オリンピック野球競技決勝でアメリカ代表と対戦し、2-0で見事に勝利!
公開競技では1984年のロサンゼルス大会で金メダルを獲得していますが、正式競技(種目)としては初めての“金メダル”となりました。
オリンピックの主催国で人気があったり、多くの国に広まっているスポーツをオリンピック競技として実験的に実施するもの。金銀銅のメダルは授与されるが国や地域の公式な獲得メダル数には含まれずメダルサイズも異なるなど正式種目とは区別される。
2000年のシドニー大会からプロ選手の参加が解禁され、NPB最強のメンバーで挑戦することになってからも最高は銅メダル。
日本野球界の悲願だった金メダルをようやく獲得できましたね!
MLBのアクティブ・ロースターの参加がなかったため、侍ジャパンは金メダルの最右翼という位置付けでしたが、他競技を見ても番狂わせはたくさんあったし、なによりも大会無傷の5連勝での金メダルというのは素晴らしかったと思います。
侍ジャパンの決勝戦での戦いぶり
それでは、侍ジャパンの決勝戦の活躍を振り返ってみましょう。
先発投手はカープ・森下
決勝戦の先発投手はカープの森下暢仁。
5回を3安打5奪三振無失点という素晴らしい投球。入団1年目でセ・リーグ新人王を獲得したカープのエースは日本代表でもエース級の活躍をしてくれました。
森下は侍ジャパントップチームとしてプレーするのは今大会が初めてでしたが、2015年U-18ワールドカップで日本代表に招集されてからは大学野球日本代表の常連で、国際大会の経験は意外と豊富。
とんでもなく緊張はしただろうけど、東京オリンピックという大舞台でもいつものように涼しい顔でクールに投げ切ってくれました。
侍ジャパントップチームとしてプレーするのは今大会が初めてですが、2015年U-18ワールドカップで日本代表に招集されてからは大学野球日本代表の常連だし国際大会の経験は意外と豊富。
とんでもなく緊張はしただろうけど、東京オリンピックという大舞台でもいつものように涼しい顔でクールに投げ切ってくれました。
アメリカ代表ホークス所属ニック・マルティネスも好投
侍ジャパンは森下が好投している間に点を積み重ねたいところでしたが、アメリカ代表のホークス所属ニック・マルティネスも森下に負けず劣らずの素晴らしいピッチング。
今季ホークスで11試合に登板し7勝2敗防御率2.03という成績を残している勝ち頭は、日本相手にも忖度無しでしたね。
アウトコース低めにビシッとキレのあるストレートを投げ込み、得意のチェンジアップも冴えわたっていました。
3回にヤクルト村上の先制ホームラン
それだけに3回の村上の先制ホームランはチームにとって本当にありがたかったはず。
150キロを超えるような速い球を苦手としている村上ですが、変化球を打つ技術は本当に凄い!
ナイスホームランでした。
2番手はホークス千賀
その後はこの1点を守るための継投へ。
森下の後を受けた千賀は150キロ台後半のストレートを中心にアメリカ打線と対決。
フォークの落ちが早く制球も不安定でヒヤヒヤさせられましたが、最後はキャッチャーフライで事なきを得ました。
日本代表もアメリカ代表も投手たちがピンチをしのいで叫ぶ姿がかっこよかったです。
3番手は強心臓の日本ハム伊藤大海
千賀の次は稲葉監督からの信頼も篤い日本ハムの伊藤大海が登板。
千賀に2イニング投げさせずにここでスパッと交代したのは良かったと思います。2イニング目は打たれてたか自滅していた気がする…。
伊藤も得点圏にランナーを背負う苦しい展開でした。しかし、最後の一本は許さずに7回を無失点。
回を跨いだ8回にオースティンにシングルを打たれ交代したけど、プレッシャーのかかる場面でもいつも通りのピッチングができる強心臓には驚くばかり。
実は2020年ドラフトで私がジャイアンツに1位指名してほしかった選手は佐藤でも早川でもなく伊藤でした…。日ハムの一本釣り本当に羨ましい(2回目)
阪神岩崎が完璧リリーフ
そしてノーアウト一塁の場面でマウンドに上がったのは阪神の岩崎。
“もしもし甲斐です”の甲斐もあってか、打者3人を無安打1奪三振という完璧なリリーフを見せてくれました。
→「もしもし甲斐です」に表れた献身 重圧と戦い続けた侍J・甲斐拓也の東京五輪|Full-Count
岩崎の好リリーフはこの試合に勝てた大きな要因のひとつでしたね。
準決勝の韓国戦でも山本由伸が残したピンチに登板し、1点は取られたものの後続を断つ良い仕事をしてくれましたし、今大会における貢献度はかなり高かったと思います。
山田哲人が先頭出塁から渾身のヘッドスライディング
そしてピンチの後はチャンスありの8回裏。
頼もしすぎる1番哲人さんが先頭で出塁すると、バントもスマートにこなす我らが坂本キャプテンがしっかり送り、仕事人正尚さんがいつも通り見事なバットコントロールでセンターに弾き返して貴重な追加点!
山田哲人渾身のヘッドスライディング!
所属球団の試合ではいつもクールな感じでプレーしている哲人さんだけど毎回代表戦はなぜか熱い!!テンションもちょっと高め。
大会途中から足も動き始めてたしリーグ後半戦は手強い相手になりそうですが、走攻守全てが揃った5ツールプレイヤー山田哲人の復活は一野球ファンとしてうれしい限り。
ぜひジャイアンツ戦以外で打ちまくってください(笑)
正尚さんも本当にかっこよかった!
以前何かの番組で、好調とケガの繰り返しでへこみながらも心は折れない正尚さんを見てから個人的に応援してます。
最終回はカープの守護神栗林良吏が登板
そして最終回。
村上の一発と皆でつないで取った2点を守るべくマウンドに上がったのは守護神栗林良吏。
栗林に関しては本当に言う事なし!
オリンピック全5試合に登板して2勝3Sですからね。
大舞台でもいつも通りのピッチングができているのは、今季入団1年目からカープの守護神として最後のイニングを任されていることも大きいです。
しかし、それだけでなく社会人時代に負けたら終わりのトーナメント戦を何度も経験していることも大舞台に強い理由のひとつだと思います。
新型コロナで1年延期になったオリンピック。
もし去年開催されていたら栗林はメンバーにいなかったと思うといろいろ考えさせられますね…。
とにかく日本の守護神としての大車輪の活躍、本当にお疲れ様でした!
ゆっくり休んでコンディションを整えてリーグ戦に臨んでください。
栗林はヒットを1本打たれたものの、最後はロペスをセカンドゴロに打ち取って2-0でゲームセット!
菊池が自分でベースを踏みに行こうとしたときに、前からウキウキの坂本が走り込んできたのでボールを渡したという話は面白かった。キャプテンはインタビューでは割とクールだったのに(笑)
金メダル・日本、銀メダル・アメリカ、銅メダル・ドミニカ
7月28日から始まった東京オリンピック野球競技は日本の優勝で幕を閉じました。
金メダルは日本、銀メダルはアメリカ、そして銅メダルは3位決定戦で韓国を破ったドミニカ。
他国の選手たちも勝利のためにベストを尽くしていた
アメリカやドミニカなど一部の国はベストメンバーを揃えての出場ではなかったけど、選ばれたメンバーたちは勝利のために必死でプレーしていて一切の手抜きはありませんでした。
ドミニカの選手たちは銅メダルでも本当にうれしそうだったし、やっぱりオリンピックのメダルというのは価値あるものなんだなぁとしみじみ。
野球の発展のために世界中にアピールを
アメリカ代表もノックアウトステージで先発したバズや一塁手ベストナインに選ばれたカサス、最優秀守備選手に選ばれたアレンなど、今後メジャーでも活躍する可能性がある選手の頑張りが目立ちました。
オリンピックに選手を出したくないMLBの考えも理解できなくはないけど、今さえ良ければではなく野球というスポーツを永続的に発展させたいのなら、世界中にアピールできる機会でもある五輪の場にスター選手たちを派遣することも大事だと思います。
サッカーも少し違う面でFIFAとIOCの対立がありU-23+オーバーエイジという形で折り合いをつけましたが、野球に関しても同じようにしても面白いかもしれませんね。
次回のパリオリンピックでは残念ながら正式競技から外れてしまいますが、復帰したときには野球があまり盛んではない国の人も野球をしてみたいと思わせるような改革を期待しています。
応援しているジャイアンツやホークスの選手も大活躍
日頃応援しているジャイアンツやホークスの選手たちがたくさん活躍してくれて本当に良かった…。
毎回代表戦になるとヒヤヒヤ気分で見ているので今回は鼻高々です(笑)
攻守で活躍しチームを引っ張った坂本や正捕手として抜群の活躍を見せた甲斐くんに加え、大会前のケガで万全とはいえないなか存在感を見せたギータやチームのムードメーカーを務め大事な場面でバントをしっかり決めた栗原など、皆素晴らしい活躍だったと思います。
チームジャイアンツは皆で写真!
現地からとっておきの写真が届きました📷
「✨チーム巨人✨」
本当におめでとうございます👏#サンチェス #坂本勇人 #メルセデス #村田善則 #巨人 #メダリスト #Tokyo2020 #野球 pic.twitter.com/FkiRbPRDut
— 日刊スポーツ 巨人担当 (@nikkan_giants) August 7, 2021
坂本と甲斐、山本がベストナインに選出!MVPは山田哲人
坂本と甲斐くん、そして山本由伸は大会ベストナインにも選出!
- 【右投手】山本由伸(日本)
- 【左投手】アンソニー・ゴース(アメリカ)
- 【捕 手】甲斐拓也(日本)
- 【一塁手】トリストン・カサス(アメリカ)
- 【二塁手】エディー・アルバレス(アメリカ)
- 【三塁手】エリック・メヒア(ドミニカ)
- 【遊撃手】坂本勇人(日本)
- 【左翼手】金賢洙(韓国)
- 【中堅手】朴海旻(韓国)
- 【右翼手】ミッチ・グラッサー(イスラエル)
- 【指名打者】タイラー・オースティン(アメリカ)
- 【最優秀守備選手】ニック・アレン(アメリカ)
そして、大会MVPは全試合に1番打者としてスタメン出場し、打率.350、1本塁打、7打点、3盗塁の成績を残した哲人さんが選ばれました。
村上に「この試合に勝ったらお姫様だっこをして」と要望する余裕を見せつつのMVP。役者が違いますね(笑)
オリンピックでアゲアゲの山田&村上のヤクルトコンビにはリーグ後半戦要注意です!
勝ち運◎の稲葉監督
最後はプレミア12に続いて日本代表をオリンピックの頂点に連れていった稲葉監督。
采配についてはいろいろ言われてたし決勝以外はうーん…という場面もあったけど、勝ち運に関しては歴代監督のなかでも最強なんじゃないでしょうか。
そしてモチベーターとしても個性豊かなスター選手たちを一つにまとめ士気を大いに高めた点は非常に優秀。
大きなプレッシャーがかかるなか、結果が全ての世界で目標を達成したのは素直に凄いと思います。
稲葉監督は今大会をもって任期を終え勇退することが決まっていますが、後任は一体誰になるのか。
とにかくお疲れ様でした。
「選手たち、スタッフにいい経験をさせてもらった。野球の競技者人口は減っているが、金メダルがひとつのきっかけになってほしいし、野球をやる子どもが増えてくれればと思う。これからも野球界に少しでも貢献できるようにやっていく」
さいごに
長いようで短い、近いようで遠い東京オリンピックも8月8日をもってついに閉幕。
新型コロナの影響で開催が危ぶまれ、反対活動も盛んに行われました。
私自身この状況下でオリンピックを開催するのは難しい判断だなぁと思いつつも、開催が決まったからにはたくさんの競技を見て選手たちを精一杯応援し思いっきり楽しもうというスタンスでした。
日本代表選手たちも懸命に頑張り、金メダル27個・銀メダル14個・銅メダル17個(合計58個)という史上最多のメダル数を記録。
国やIOC、JOCの対応や開閉会式のクオリティなど大会の枠組みとしての出来は残念な部分が多かったけど、競技の部分だけを見ると大成功といえると思います。
オリンピックの大きなプレッシャーの中戦った選手の皆さん、本当にお疲れさまでした!
コメント
侍ジャパンの金メダル、感動しました。野球といえば、アメリカ大リーグの方が、知名度も実力も伴っていて、正にアメリカのお家芸。そこと戦って勝利できたことは本当に凄いことだと思います。日本の若い選手たちが、臆することなく伸び伸びとプレーしていた姿が印象的でした。
miyakoさん、コメントありがとうございます。
素晴らしい試合で感動しましたね!
最後に観客席と相手ベンチに礼をした侍ジャパンに対して握手をしに出てきてくれたアメリカの選手たちにも感動しました。
気持ちの良い対決だったと思います!
全勝で金メダル獲得に至れたのもよかったですね(^^)
若い選手たちも本当に頼もしかったです!