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走塁改革の象徴となった岡本和真|データで見る2024ジャイアンツの変革

2024年、ジャイアンツは77勝59敗で2位阪神に3.5ゲーム差をつけてリーグ優勝を飾りました。

昨季と比べホームランが164本から81本に半減し、得点も61点減少。その代わりに防御率は1点近く改善され、失点を126点も減らすことに成功しました。

まさに阿部新監督の掲げる「守り勝つ野球」を体現したシーズンでしたね。

そして阿部監督が目指した改革は「守」だけではありませんでした。月刊ジャイアンツのインタビューで「(走塁面)が一番タイガースとの違い」と語るなど、走塁改革にも並々ならぬ意欲を示していたのです。

坂本勇人 ヘッドスライディング

数字で見るジャイアンツの走塁課題

多くのファンが感じていたと思いますが、ここ数年のジャイアンツは走塁に大きな課題を抱えていました。

打者が攻撃においてどれだけの得点を創出したかを表す指標「BsR(Base Runs)」を見てみるとジャイアンツの数字は以下の通り。なかなか厳しい結果です。

  • 2021年:約-4(12球団中10位、セ・リーグ5位)
  • 2022年:約-9(12球団中9位、セ・リーグ6位)
  • 2023年:約-10.5(12球団中12位、セ・リーグ6位)

BsR(Base Runs)|1.02

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キャプテン岡本、走塁面でも率先垂範

そんな中、この改革を最も象徴する存在となったのが我らがキャプテン岡本さんでした。

走塁面での課題を指摘されることの多かった岡本さんですが、このシーズンは驚くべき変貌を遂げます。

岡本さん個人のBsRを見てみると、2021年はチームワーストの約-9(シーズンを通して走塁で約9点分の損)、2022年は約-4でチームワースト2位、2023年も約-3でチームワースト2位と散々でした。

しかし2024年、その数字は約+1.5まで改善。これは門脇、浅野に次ぐチーム3位という素晴らしい結果です。

岡本さんの意識の変化は開幕前から周囲の目にも明らかでした。

例えば、ジャイアンツTVで放送された開幕前のコーチ座談会では、亀井コーチが「岡本の走塁意識がすごい。キャプテンマークついて意識してるのかなーって」とべた褒めするほど。

岡本キャプテンマークTOKYOユニ

体を絞ってきて足が動いていたのも大きいですが、それ以上に意識の高さが際立っていました。

シーズン中もヘッスラを含め、何度も胸を熱くさせる走塁を見せてくれましたね。ケガが心配だったけど。

岡本さんの頑張りもあってか、チーム全体のBsRも2024年は約-1.5(12球団中8位)まで改善。順位こそセ・リーグ最下位でしたが、上位チームとの差は確実に縮まっています。

キャプテンが率先して意識を変えていく姿に首脳陣からの信頼も一層深まったように見えました。

課題は残るも、着実な一歩

気になる点もありました。

大城の個人BsRは約-9.5でチームどころか全選手中圧倒的ワーストを記録。つまり、シーズンを通して走塁だけで約9.5点分の損失を生んでしまったことになります…。

ランナーコーチの責任もあるとはいえ、例年以上に厳しい数字となってしまいましたね。もし大城がそこそこの数字を残せていれば、チーム全体の走塁評価はさらに上がっていたはずです。

阿部監督の目指す野球において走塁は重要な要素の一つ。

岡本さんが体現してくれたように走塁は意識次第で大きく改善できます。来季は大城を含めチーム全体でこの走塁改革の流れをさらに加速させていってほしいですね!

※本記事で使用したBsRのデータは概算値となっています。正確な数値はDELTAのデータサイト「1.02」(有料)で確認できます。

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