伊藤優輔、FA甲斐の人的補償でホークスへ|経歴と投球スタイルを振り返る

1月16日、ホークスから獲得した甲斐くんの補償選手が発表されました。

選ばれたのは#52伊藤優輔投手。トミー・ジョン手術からの復帰後、ようやく実戦で見られるようになった投手だけに、ホークスは先を見据えた選択をしたなという印象を受けました。

ダイエー時代を含めて11例目の国内FA流出ながら、人的補償を選択するのは球団として初めてのケース。それだけ伊藤の将来性を評価しての決断なのでしょう。

ジャイアンツからホークスへの移籍が決まった伊藤優輔

アマチュア時代からの経歴と怪我からの復帰

伊藤は都立小山台高校時代に21世紀枠でセンバツに出場し、中央大学では1年春から東都リーグで実戦を積みました。

その後、社会人の三菱日立パワーシステムズ(現・三菱重工East)で都市対抗や日本選手権を経験し、即戦力として2020年ドラフト4位でジャイアンツに入団。

しかし、プロでの投球を見る前にケガで長期離脱したため、最速156キロの剛腕ピッチャーという情報だけが私の頭の中にありました。

2021年11月のトミー・ジョン手術から長いリハビリを経て、昨年7月に支配下復帰。そして7月30日の阪神戦で、ようやく一軍のマウンドに立つ姿を見ることができました。

伊藤優輔 2024年7月30日甲子園阪神戦プロ初登板

投球スタイルと今後の展望

2024シーズンは一軍で8試合にリリーフとして登板し、8.2回を投げて防御率1.04、被打率.185、WHIP0.92という好成績。

オーバースローに近い角度から投げ下ろすストレート(平均148キロ)はシュート回転が少なめで球威もまずまずあり、左打者のインコースを良い感じに攻められていました。

個人的に一番印象に残ったのはカットボール。

打者の手前で切れ味鋭く変化するこのボールは左右の打者問わず通用する一級品の球だと感じました。あの小さめの変化が良いですね。あえて高めに投げても面白い。

このカットボールとストレートが投球の約8割を占めます。

フォークボールも主に左打者対策として投げていましたが、このボールはまだ精度を上げる余地あり。落ちは悪くないものの、狙ったところには投げきれていないように見えました。

ここがよくなればカットへのマークが緩くなり、奪三振率アップにも期待できそう。

こうして投球を振り返ってみると、2024シーズンの時点では勝ちパターンのリリーフとしてはやや心もとない印象でした。

ただ、トミー・ジョン手術後は移植したじん帯が馴染むまでに時間がかかると言われており、来シーズンはさらなるレベルアップが期待できる点は大きな伸びしろです。

そこを考慮すると、せめてあと1年は見たかった気もしますね…。

 

幼少期から熱心なジャイアンツファンだった伊藤。だからこそ、この4年間は特別な思いで過ごしたことでしょう。新天地・福岡での活躍を心から願っています。

4年間本当にお疲れ様でした。ホークスでの飛躍を楽しみにしています!

伊藤投手のコメント

「4年間という短い間ではありましたが、約2年をリハビリに費やし、本当にたくさんの方々に支えられて去年初めて一軍で投げることができました。今年はさらに飛躍できる年にしようと思っていた矢先の出来事だったので少し驚いてはいるのですが、この4年間のジャイアンツでの経験を糧にしてソフトバンクホークスで活躍し、日本シリーズでジャイアンツと戦えるように頑張っていきたいと思います」

公式ニュース 伊藤優輔投手の移籍について|読売ジャイアンツ公式サイト

コメント

タイトルとURLをコピーしました